いよいよ春本番。寒さもやわらぎ、桜のつぼみもふくらんできた。春は旅立ち、別れの季節でもある。2年、あるいは4年間の学生時代の思い出を胸に、それぞれが新しい世界に巣立っていく。夢実現への第一歩を踏み出す3人に、就職活動の体験と、抱負などを聞いた。
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日本航空 選んでもらう謙虚さを
鹿児島国際大学福祉社会学部 卒業予定 児玉 佳菜子(22) |
| 「思い切って挑戦しよう」。そう決心したのは大学3年生の春だった。小さいころから航空機の客室乗務員にあこがれていたが、それまでは手の届かない存在だと思っていた。大学では、児童学科で小学校と幼稚園の教員免許を取得。子どもも好きなのでどちらに進むか悩んだが、「フリーターになるか、乗務員になるか、とにかくやってみよう」と決めた。 「25歳までになれなかったら別の道に進むから」と両親を説得。鹿児島市にある、エアラインやホテルの接客業を目指す人向けの学校に1年間、毎週土曜日の午後に通った。英語力を身に着けるため、アルバイトでお金をためて、カナダの語学学校でも学んだ。 航空会社の試験は、5月に始まった。日本航空の試験会場は東京の本社ビル。きれいな人がたくさんいて、「まだまだ無理だろうな」と思っていた。それだけに6月に内定をもらったときは、「まさか」と驚いた。両親も内定式に出て、ようやく信じてくれた。 就活で学んだのは、自分が会社を選ぶのではなく、会社に選んでもらう、ということ。1次、2次と面接が進んでいくうちに、「ありがとうございます」という言葉が自然に出ていた。 もうすぐ入社。うれしさだけでなく不安もあるが「腹をくくってがんばりたい」。後輩へのエールは「なりたいものがあるけど言い出せずにいる人は、世間体を気にせず自分に真正面から向き合ってほしい」。 |
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宇宙航空研究開発機構 星の世界への興味原点
鹿児島大学大学院理工学研究科 終了予定 丸山 健太(23) |
| 子どものとき、父の実家である末吉町(現曽於市)で見た、夜空に広がる天の川が原点。以来、ずっと星の世界に興味を持ち続けてきた。「宇宙飛行士になる」。胸に抱き続けてきた夢への第一歩が開けた。 全国4カ所の電波望遠鏡を結んで宇宙を観測する「VERA計画」。その計画を国立天文台と進める面高俊宏理学部教授の研究室の存在を新聞で知った。宇宙について学べる数少ない大学の1つが鹿大だった。 入学後は、サッカーのサークルなどで学生生活を楽しんだ。本格的に宇宙について研究を始めたのは3年時に面高研究室に入ってから。薩摩川内市入来の観測所に泊まり込んで、観測機器の操作やデータを解析する経験を積んだ。 大学院に進学後、鹿大と宇宙航空研究開発機構(JAXA)の連携大学院で学ぶチャンスが回ってきた。立候補して、つくば市で1年半学んだ。人工衛星の観測データを元に、地球周辺の宇宙の放射線環境について研究。「鹿大に入ったおかげで、宇宙を身近に感じる経験に恵まれ、充実した5年間を過ごすことができた」と話す。 就活ではやはり、宇宙関係が第1希望だった。昨年3月にJAXAの書類選考があり、4月に面接、5月に内定をもらった。「うれしかった。面高教授も両親も喜んでくれた」 宇宙についてはまだ謎も多い。「人類は、いつかは地球を出ていくことになるだろうから、研究は必要。いつかは自分で宇宙に行きたい」と願っている。 |
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京 セ ラ 経験積み管理職目指す
鹿児島県立短期大学商経学科 卒業予定 中村 麻由(20) |
| キャリアウーマンにあこがれていた。結婚しても家庭と両立して、定年まで第一線で働きたいと思っている。卒論のテーマは「女性のキャリア」。採用は一般事務職だが、経験と実績を積み上げて、将来は管理職を目指す。 阿久根市の自宅から2年間、鹿児島市の短大まで通い続けた。1限目の授業がある日は、朝5時に起きて、6時発のおれんじ鉄道に乗った。1年の冬には短大の自治会長に就任。文化祭などの学校行事の準備や運営に追われ、夜9時すぎの最終便で帰ることもあった。 つらいときもあったが、やりとげたからこそ味わえる充実感があった。「同窓会や、働きながら学んでいる二部生との交流など、異なる年代の人たちとかかわることで、学ぶことも多かった」と振り返る。 短大の2年間はあっという間だ。就活を始めたのは1年の1月ごろ。京セラを希望したのは、稲盛和夫名誉会長の著書を読んで、その哲学に魅力を感じていたから。「人として何が正しいのか」ということを大事にする会社だと感じた。 5月中旬に試験。面接では人見知りしないことや、リーダーシップなど自分の特徴をアピールできた。1週間後に内定の連絡が届いた。4月から川内工場で勤務する。「大好きなふるさとから通勤できる」と喜ぶ。 ポリシーは、前向きに、自分に自信を持って、笑顔で過ごすこと。社会人としての新しい環境での新しい生活に、不安よりも、今は期待に胸をふくらませている。 |
['08-03-06]
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