携帯読書端末をめぐる日米事情
電子化された書籍や雑誌などをパソコンや携帯電話で読む「電子書籍」が静かなブームだ。電子書籍の専門サイトがあり、著作権が切れた名作などを集めたものもある。若者には携帯電話で読む「ケイタイ小説」が人気で、専門で書く人気作家も出ている。
電子書籍を読む携帯読書端末が売れてもいいようだが、日本で伸びはいまひとつ。文庫本サイズの読書端末をワーズギア(本社東京)が発売、1万タイトルを超える電子書籍などを持つ専用サイトを整備しているが、ソニーと松下電器産業が2004年に売り出した携帯読書端末は売れずに終わっている。
いま世界で注目されているのは、ソニーが米国で発売した「ソニーリーダー」とオランダiRex社の「iLiad(イリアッド)」。ソニーリーダーは米国で人気で10万台を売ったという。
なぜ、電子手帳のように、携帯読書端末が普及しないのか。背景には書籍をめぐる日米事情があるという。
米国のソニーエレクトリック社で「ソニーリーダー」を担当する石井隆一さんは、日米の出版業界の事情を挙げる。米国で売られる本は分厚いハードカバー中心だが、日本は文庫本。文庫本を2−3冊カバンに入れ出張は可能だが、ハードカバーではお手上げだ。
日本の出版社は新刊で電子版は出さないが米国では同時出版。電子版は割安で、返品の心配もない。ソニーは英語圏でも市場開拓するが、当面、日本国内では売る予定はないという。
ソニーに援軍が来る。書籍のネット販売大手のアマゾン社が携帯読書端末を近く発売する。「ケイタイ小説が読まれ、文庫本文化が定着した日本で携帯読書端末が普及するのは米国や欧州でブームになってから」。ITや電子書籍の専門家はこう予測する。





















