鹿児島市樋之口町に、石像を店先に置いた美容室がある。全国でもこんな美容室はないのではないだろうか。
美容室「むらかみ」。石像は50年余り前、代表の村上昌也さん(75)の父仁英さん=1960(昭和35)年に69歳で死去=が、松原神社近くにあった尼寺からもらってきた。
観音様で、高さは台座を入れて1.5メートルほど。屋根がかけてある。仁英さんは「右手をほおについている姿と、まなざしが優しくていい」と言っていた。
7年前に92歳で亡くなった母イチさんが水で洗ったり花をあげたり観音様の世話をしていたが、今は昌也さんと妻洋子さん(68)が引き継ぐ。
「御利益がある。おかげで45年間、店の客が絶えません」と洋子さん。天文館への通り道でもあり、仕事へ向かう途中に毎日のように拝む人、さい銭をあげる人が多い。
「でも心がけが悪い人もいて、さい銭箱や線香立てがとられたこともある。昔はこんな人はいなかった」と昌也さん。さい銭箱はもう置いていない。
父が始め昌也さんが継いだ不動産屋と、洋子さんが続ける美容室。観音様は優しく見守る。
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