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07/03/31
夕刊掲載
戦前の大邸宅の名残
<199>  マンションの石塀と門
 
▲溶岩と溶結凝灰岩を使った塀と門があるマンション
 
マチカド?散歩 鹿児島市下荒田4丁目の住宅街に、立派な石塀と門に囲まれた5階建てマンションが建つ。門柱には「中村」と大きな表札まで付いている。マンションらしからぬたたずまいだ。
 所有者は東京都文京区に住む大学教授、中村裕昭さん(63)。この石塀の中にはもともと、父武兵衛さんが1939(昭和14)年ごろ建てた邸宅があった。一部2階建ての平屋ながら畳が100枚以上ある大きな家。「中村屋敷」は田園地帯で異彩を放った。裕昭さんもここで生まれ育った。
 終戦後、進駐軍に接収されて将校の宿舎として使われた。壁にペンキを塗られたり、靴のまま上がられたりして家は傷んだという。しばらくして中村家は隣地に移り住み、裕昭さんは上京した。
 武兵衛さんは88(昭和63)年に死去。裕昭さんは92(平成4)年に邸宅を壊し賃貸マンションを建てたが、思い出深い石塀と門はそのまま残した。あわせて庭園の一部も保存した。こま犬、石灯ろう、イヌマキ、ソテツなどが往時をしのばせる。
 以前門は3つあり、「今残る正門は正月にしか使わなかった。いつもは裏の唐門を使っていた」と裕昭さんは振り返った。
 
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