鹿児島市上之園町の裏通りを歩いていて、店の看板に目が止まった。「宿」と一文字。カラオケのある居酒屋らしい。居酒屋は飲み食いする場所。泊まる場所ではないはずだが…
宿の主は原田久代さん。年齢は「それなりに」とおっしゃる。天文館と北九州・小倉のネオン街を経て、ここに落ち着いた。2年前の3月のことだ。
小倉でやっていたスナックの名前が「宿」だった。鹿児島へ帰り店の物件をあちこち探したとき、「宿」という店が幸いになかったため、「よかった」と思い命名した。
「宿に入ったような気持ちでくつろいでほしい」というのが、その名の由来。だから気心の知れた客には「お帰りなさい」と言って迎える。泊まっていく客はもちろんいないが、「酔っぱらって寝込み、ゆっくりされる人はたまにいます」と原田さんは笑う。
この店名に引かれて、何度か店の前を通り過ぎてから入店、常連になった人もいる。おまかせ5品付いて焼酎飲み放題2000円。興に乗ると、次から次に料理を出す。食べきれなかった人には、持ち帰ってもらうこともある。客が書いたという「寿 二周年」の紙が壁に張ってあった。
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