鹿児島市鴨池新町にある鴨池歯科医院。その白い外壁にヤシの木があるのに気付いた。木といっても、本当の木ではなくて絵なのだが、気になる木だ。どうしてヤシなのか、院長の浜田四郎さん(61)に尋ねた。
医院を開業したのは約30年前。空港跡にできたニュータウン・鴨池新町の建物は、街並みを統一するため茶か白いずれかの色を使わなければならなかった。医院は白にした。
ヤシの絵は、10年くらい前に業者に頼んで加えた。「歯科は入りにくいイメージがありました。なごんでもらえる工夫を外見にもできないか、と考えたのが発端」と浜田さん。白壁に合う壁画のようなものを、また、できれば海に近い土地柄に合うものを、ということでヤシの木を配することにした。
壁画だとだんだん汚れてくるので、ヤシの絵をプリントしたプラスチック板を取り付けた。これがかえって立体感を生み、ヤシを浮き立たせている。風に吹かれたように木が斜めになっているのは「風に向かってみんなで進んでいこう」という思いから。
医院の中に入ると、低く流れるジャズが印象的だ。壁には黒田征太郎のハトの絵がかかる。
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