南日本新聞のウェブサイト373news.comです

メニューをとばして本文へ移動します
県内ニュース スポーツ 社  説 南 風 録 黒ヂョカ 映画案内 きょうの催し 気象情報 おかいもの
桜島ライブカメラ 動画歳時記 懐かしフォト 焼酎蔵めぐり サッカー王国 こどものページ そいじゃが通信 母 校 便 り 見学アルバム
'06/09/12 夕刊掲載 
美登里のオフタイム

〜  33  〜

しかれない親

帰省帰りの機内は満席。夏休みを満喫した子供と、たくさんのお土産を抱えその夫婦は搭乗してきた。東京行き、ちょっとセレブなパパとママ。3歳くらいの女の子が地べたでグズッている。客室乗務員「離陸しますのでお子さんをひざにお抱きください」、ママ「○○ちゃんポッキーあげよう」、娘「いや! ここがいい!」、パパ「ご本読んであげよう」、娘「いやだ、ギャ〜!!」。娘は泣き叫び地団駄(じだんだ)踏んで、ハッキリ言ってうるさくて仕方ない。

どこの親だ? 夏バテと人ごみで乗客もいら立ち気味。すべての出発準備が整い、再々度乗務員にこのままでは離陸できないと言われ、やっとママは無理やり泣き叫ぶ娘を抱き、飛行機は飛びたった。

こういう時なぜ親は子供をきちんとしからないのだろう? 30歳前半のセレブ夫婦は相変わらず「これ食べる?」を繰り返し意外と動じた様子もない。「飛行機はおまえ1人のわがままで飛べなくなるんだよ」と、甘えられる場所と我慢する場所がこの世にはあることを、どうしてパンパンお尻たたいてこの機会に教えないのだろう?

白シャツ+ジーンズのママ、ストライプシャツ+ロン毛のパパ。カッコいい2人は手荒な教育方針を避け、子供をしからないのだと最初は思った。でも違う。パパとママは自分たちがヒステリーに見られるのが嫌で、子供をしからないだけなのだ。もし手を挙げたくないなら、他のあらゆる手段で席につかせようと努力するはず。でも彼らはその場しのぎに物でつり、ごまかしているように見えた。周囲の迷惑より、子供の教育より、自分たちがカッコ悪く見えないことが最優先なのだ。

目の前でしかったり注意するのはすごく難しい。でも怒りを吐き出さずため込むのも問題だ。ゆがんだ感情が幼児虐待に絡むこともある。

乗務員にももっと凛(りん)としてほしい。着陸寸前、機内で突然携帯電話が鳴った。とんでもないアホ客である。「お忙しいところ恐れ入りますが…」ではなく「ダメです! 危険なんです!」とちゃんと注意すべきなのに、マニュアル通りだから客のイライラは倍増。真に安全を願っての行為なら厳しくしても客は納得し、逆に信頼するだろう。

親も同じ。「今しかる」のが大事な時もある。後からでは子供はどの悪さか忘れてしまう。正々堂々としかる姿を周囲はヒステリーとは思わない。事の経緯を他人は結構冷静に判断しているものだ。

女の子の去った座席にはクッキーやおかきのくずが散乱。あれ? ママも一緒に食べてたの!?

(辛島美登里=シンガー・ソングライター)
鹿児島市出身の辛島さんのエッセー。隔週火曜日に掲載します。
インデックスへ
 
フェスティオ川内パラッツォ
鹿児島市住宅公社
pico
日経平均



おくやみ広告メールお申込受付中
かごしま囲碁サロン
ケータイで
373news.com
   を見る
南日本新聞モバイル二次元コード
新聞社合同サイト



 
 
 
県内ニュース スポーツ 社  説 南 風 録 黒ヂョカ 映画案内 きょうの催し 気象情報 おかいもの
記事・画像等の一切の無断転載、二次利用をお断りいたします。これらの著作権は南日本新聞社または各情報提供者にあります。