15歳で男子ゴルフのプロトーナメント初参戦で優勝した石川遼くんの名前を思い出せず、「ええっと確か、ハニカミ王子…」とパソコン検索したら26万3000件の記事がヒットして驚いた。ならばと「ハンカチ王子」でクリック…119万件も上がってきて焦った! 日本の女性は王子様が大好きみたいで、ハニカミながらハンカチで汗をぬぐうヨン様が現れたら、世の中どうなっちゃうのだろうと余計な心配をしてしまう。
それにしても遼くんの顔を見ていて、誰かに似ているな…と気付いたのだが、あの目、フィギュアスケートの浅田真央ちゃんの三日月マナコと同じなのだ。今まで瞳は宮里藍選手の黒目の眼力(めぢから)に象徴されるがごとく、大きくてきりっとした二重まぶたが本流だと思っていた私にとって、遼くんと真央ちゃんの瞳は今までと違う、新しい瞳のオーラを感じさせた。藍ちゃんの瞳が「太陽」ならば、まさに遼くん、真央ちゃんの瞳は「月」。斎藤祐樹選手の目も静かな月系のまなざしだ。トップに座するべく厳しい練習をこなし大観衆の注目のなか結果をきちんと出す人の目は、決してギラギラ獲物を狙う飢えた表情ではない。大小にかかわらずどこか涼しげで、目の前の点数や勝敗を超えた先の1点を見つめるような透明感すら漂わせている。
それにしてもだ、最近のスターにはみんなアクがない。というより、悪役スターがめっきり減ってしまった。生意気さゆえにマスコミにもみくちゃにされながらも、小憎たらしいほど成績を上げる選手や高飛車な俳優は影を潜め、みんな謙虚で育ちのいい笑顔でそつのないコメントを残す。もちろん彼らが悪いはずはなく、そのやさしく誠実な行動に魅了される私たちの方の、価値観が大きく変わってきたせいだと思う。ハングリー精神の欠如とかいう狭い尺度ではない。昨今あまりに人間性を欠いた凶悪な事件を見聞きするうちに、疲れ果てた私たちは「穏やかで性格のいい強い人」を求めるようになったのではないだろうか?
不良っぽいヒーローにあこがれる以前に、身の回りに危険な人物が多すぎて思わず、清潔感のある誠実で肌のきれいなやさしい…男性を探してしまう現代の女性たち。
「ハニカミ王子いいわぁ。あんな息子が欲しい」…主婦がうっとり答えていたけど、確かに王子が普通の息子みたいにどこにでもいたなら、スターの形も変わってくるだろう。喜怒哀楽のバリエーションが広がり、安心していろんな国や顔や性格の人とコミュニケーションできる、そんな世の中を見てみたい。


















