今年のクリスマスコンサートのゲストに『千の風になって』の秋川雅史さんをお呼びすることになり、先日コンサートパンフレット用の対談&撮影をした。まさに時の人となった秋川さんだけど、本当に気持ちの良いかたなので、ついつい私は『激辛口美登里』になってしまう。
「実は最初この歌を聞いた時、私は受け入れられなかったんです。音楽人として、『死』のテーマで人を泣かせる歌を歌うのは聖域を侵すようで」。そう率直にぶつけると「僕もね、『お墓』という歌詞に最初ひっかかりました」と彼も素直に話す。「『お墓』に代わる単語が他にあればいいのに、と何度も思った。けどないんですよね」。それでもこの歌を歌うたびにお客さんが表情を崩して涙を流す、それを見ているうちに「あぁ、この歌詞には『お墓』でなければいけないんだと思うようになりました」と打ち明けてくださった。
そう言いつつ私も、この歌を春からライブで歌っている。その、自分がひっかかる『死』をテーマにした歌を実際歌うとどうなのか、確かめたかったからだ。すると不思議なことに、悲しみより何かほっとする気持ちが生まれることに気がついた。涙をふきつつもみんな穏やかな顔になっている。いい曲だなぁと今では素直に思う。
『抵抗』は『関心』の裏返し。「気になるから好き」と近づくか、「嫌い」と背を向けるか。まるで恋愛のようですね、と2人でわらってしまった。
その3日後山形のワイナリーの収穫祭に呼ばれて、中庭に置かれたピアノで『千の風になって』を歌った。連休最後、体育の日は『終日雨』の予報だったのを、私の晴れ女パワーで曇りにさせてライブは始まったのだが(!?)、『千の風〜』を歌いだした途端、雨が…。お客さんは準備万端、傘やカッパをまとって結構落ち着いたもの。「歌、続けていいですか?」「いい、いい!」。温かい空気の中、無事にメニューを終えることができた。私にとって千の風ではなく雨を呼ぶ歌だ。福島でもこの歌の時、雨が降ってきた。涙ぐみほほえむ、空と一緒に。
「今度のアルバムに『千の風〜』を収録したんです。秋川さんみたいな力強い声は持ち合わせないので、小学校の合唱団と共にさらさらと歌いました」と出来立てのCDRを渡すと、「いろんな人がそれぞれの個性で歌える歌なんですよ」とプリンススマイルの秋川さん、実はチーズが苦手で納豆好き…。うーん、野球、ゴルフ、そしてクラシック界にも庶民派王子様はおりました(笑)。


















