九州3大河川の一つである川内川が悠然と流れる薩摩川内市。市街地からほど近い、新田神社のある可愛(えの)山陵に連なる田園地帯に山元酒造がある。
創業は大正元(1912)年。かつてこの地に同神社の神宮司「五大院」があった史実にちなんで命名された『さつま五代』は、創業時からの代表銘柄。また平成に入って発売された蔵付き酵母仕込みの『蔵の神』は、甘くて飲みやすい口当たりが現代人のし好に合い、五代と並ぶ人気銘柄の一つになった。見学コースにもなっている、昔ながらの瓶壺(かめつぼ)仕込み・木樽(だる)蒸留の蔵で造る「蔵出しさつまおごじょ」は、豊かな風味が持ち味の逸品。
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| ▲今では希少な木樽蒸留器。余計なガスが抜け、うま味が増す |
「人気銘柄をいろいろ飲んで研究しますが、ほかの蔵の味は絶対にまねができない。味わいのしんの部分に、その蔵の特徴が出るんです」と杜氏の中村彰さんは語る。蔵にすむ酵母をはぐくむのは、気候風土のほか、蔵人たちの焼酎造りにかける情熱や息づかいなのだろうか。「だから職場の環境や精神状態を常にいい状態に保つようにしています」。職人気質と明るさを兼ね備えた中村さんはムードメーカーでもある。
蔵のもう一つのこだわりは水。冠岳の伏流(ふくりゅう)水を毎日運び、全銘柄の仕込みと割り水に利用している。若い杜氏と蔵子たちの、明るく前向きなエネルギーがうまい焼酎を生み出している。
(「てぃーたいむ」2007年8月号掲載)
info
所在地
薩摩川内市五代町2725
電話
0996(25)2424
工場見学あり/要予約 8時−17時 休 日・祝日
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