吹上浜からほど近い田園地帯に立つ原口酒造は、1890(明治23)年創業の老舗蔵元だが、環境保全型農業に取り組む農業法人でもある。原口俊一社長が農業を始めたのは2002(平成14)年。原料芋産地の高齢・過疎化が進み、集落共同で畑地を管理することが難しくなってきたため、「それなら自分で芋を栽培すればいい」と思い立った。「簡単なことじゃない、と周りからはあきれられましたが、やってみると本当に大変でした」と原口社長は笑う。
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| ▲農業と焼酎の話に熱を帯びる原口社長 |
安全でおいしい芋の研究とネットワークづくりのため九州環境保全型農業協同組合に加入。試行錯誤の中で有機農法の研究実践を重ね、昨年、すべての畑が有機農産物栽培圃場(ほじょう)として認定された。害虫の防除にはトウガラシをまぜた焼酎を散布し、堆肥(たいひ)にはぬかや雑穀などを微生物で発酵させた「ぼかし」を投入するなど、社員総出で手間隙(ひま)かけて栽培している。
この芋と九州産の有機栽培米で仕込んだ『有機自家栽培・西海の薫』は、原口酒造の汗と努力の結晶だ。「有機栽培は時代の要請。将来的には、地域全体の土を昔の健康な状態に戻したいという夢があります」と原口社長。
創業時からの代表銘柄『西海の薫』、黒麹(こうじ)製無ろ過の貯蔵酒『古典派』など、すべての銘柄に竹炭、鉱石でろ過した地下水と県産米の麹を使用している。原口酒造は、ふるさとや豊かな自然を大切にしながら素朴で温かい焼酎を造り続けている。
(「てぃーたいむ」2007年9月号掲載)
info
所在地
日置市吹上町入来652
電話
099(296)2069
工場見学あり/月曜−金曜 8時−17時(要予約)
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