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シンボルの煙突
▲シンボルの煙突
かつては米蔵だった石蔵▼
かつては米蔵だった石蔵
 
(36)宇都酒造
 県立吹上浜海浜公園にほど近い、広々とした田園地帯にある宇都酒造。一本の高い煙突が目印となっている。明治36(1903)年の創業時から、霊峰・金峰山の名を冠した『金峰』が地元で愛されてきた。ところが3代目の宇都建夫さんが社長に就任した昭和59(1984)年ごろから、『金峰』の売り上げは下降線をたどり、新規路線への転換を余儀なくされた。そこでアイデアマンの建夫さんが思いついたのが、南九州一の繁華街「天文館」を冠した焼酎。ありそうでなかったネーミングは県内外で受け、“一発逆転”に成功した。
原点見つめ芋焼酎育てる

代表銘柄と4代目尋智さん
▲代表銘柄と4代目尋智さん
 宇都酒造は、昨今の焼酎ブームにあっても、規模を拡大することなく350石(1石=100升)の生産高を堅実に守っている。高い知名度を誇る『天文館』でさえ、生産本数は非常に少ないことは案外知られていない。

 一方で品質については人気に安住することなく、大胆な挑戦を続けてきた。大学で醸造学を学び、和歌山の清酒蔵で修業を積んだ4代目・尋智さんの帰郷がきっかけだった。尋智さんは「バランスの良い、飲み疲れしない味」を目指して、神渡勇次杜氏(とうじ)と共に「自分の舌がより納得する味を。より自信をもって薦められる味を」と『天文館』などの味を変えた。

丁寧な仕込み作業
▲丁寧な仕込み作業 
 「長く愛されてきた銘柄の味を、『好きなように変えていい』と言ってくれた父に感謝しています」。尋智さんは白麹の『天文館』とともに黒麹の『金峰』も復刻した。『金峰』のラベルに刻まれた「四代目入魂」の5文字に、尋智さんの思いの強さがうかがえる。

 「地元でよその土地の焼酎が飲まれているのはとても残念。おいしい焼酎を造って、地元の人に飲んでもらえる、選んでもらえるようになりたい」と語る4代目。「やりたいことがいっぱいありすぎて…」と笑う若きチャレンジャーがこれからどんな焼酎を世に送り出してくれるのか、目が離せない。

(「てぃーたいむ」2007年10月号掲載)

info

所在地 
南さつま市加世田益山2431

電話 
 0993(53)2260

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