旧市来町は、古くは中国との交易港として、藩政時代には参勤交代の第一宿場としてにぎわった。人が集まる場所にはおのずとうまい酒が生まれる。豊富な水と原料に恵まれた市来は、古くから酒造りが盛んだった。中でも享保4(1719)年、若松弥右衛門が「湊の酒屋」の屋号で創業した若松酒造は老舗中の老舗である。現存するものでは日本最古という明治13年発行の酒類製造営業免許鑑札書や、もろみの温度を調整した暖気樽(だる)、もろみのくみ上げに使用した引き揚げ枡(ます)などが歴史を物語る。
 |
| ▲熟成を重ねる貯蔵酒と現存する最古の酒類製造営業免許鑑札書(右)
|
「伝統を大事にしながら、同時にこの蔵を焼酎文化の情報発信、焼酎文化革新の基地にしていきたい」(若松正樹専務)と蔵の再立ち上げに着手し、2年前に「若松蔵」としてリニューアルオープンした。青々とした松がシンボルの蔵では、かめ壺(つぼ)貯蔵庫の見学と利き酒が体験できる。
 |
| ▲試飲・小売りコーナー |
主な銘柄は、芋らしさを残した昔ながらの味わいの『黒わか松』『わか松』、長期樽熟成によるまろやかな味わいの『吾唯足知(ワレタダタルヲシル)』。黄麹をブレンドした『若松屋 晋』と、先祖への敬慕を込めて名付けた、かめ壺長期貯蔵『若松弥右衛門』は蔵限定販売。関東・関西でも人気が高い。
(「てぃーたいむ」2008年3月号掲載)
info
所在地
いちき串木野市湊町1丁目182番地
電話
0996(36)5008
見学/月曜−金曜日 10時−17時
|
|
|