かつて南薩随一の交易港として栄えた指宿・宮ケ浜に立つ大山甚七商店。豪商浜崎太平次とも親交があった初代大山甚七が明治8(1875)年に興した蔵だ。『薩摩の誉』『甚七』『問わず語らず名も無き焼酎』など、こだわりの銘柄が目を引く。
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| ▲こだわりの銘柄が並ぶ |
現在の社長、大山修一さんは5代目。急逝した先代の後を継いで25年間、“五感を駆使した焼酎造り”一筋に歩んできた。しかし、「焼酎について論理的に学んでみたい」と一念発起。鹿児島大学の鹿児島ルネッサンスアカデミーを経て昨年から同大大学院農学研究科の焼酎学講座で学んでいる。経営者、杜氏としての重責を担いながら、大学院の研究やリポートにも追われて寝る間もないような忙しさだが、「勉強の楽しさがやっと分かりました」と顔をほころばせる。
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| ▲蔵の裏に広がる篤姫ゆかりの海岸線
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折しも昨年、同大農学部の峯和則准教授が地元の今和泉島津家屋敷跡に隣接する隼人松原の土から酵母の分離に成功。“篤姫酵母”と名付けられた酵母を使った仕込み実験に、大山さんも院生としてかかわった。完成した焼酎『天翔宙(てんしょうちゅう)』は、2008年2月から売り出された。甘みのあるふくよかな味わいで、大河ドラマ「篤姫」人気と相まって注目を集めている。
「大学に入って、いろんな人とつながりができ、夢がさらに広がりました」と大山さん。「ブームを一過性で終わらせず、焼酎を世界の5大蒸留酒の一つに押し上げたい。10年後、100年後に実現する夢かもしれないが、まずはいま行動することから」。
夢を追う仕事人は、これからも走り続ける。
(「てぃーたいむ」2008年4月号掲載)
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所在地
指宿市西方4657
電話
0993(25)2410
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