近くに高級住宅地が広がる豪徳寺駅。商店街の一角にひっそりとたたずむ隠れ家のような店だ。100種のワインと200種の焼酎を売りに、義母の歌手・天竜洋子さん、妻夕子さん(32)と3人で切り盛りする。「黒豚のトントロ」やサツマイモを素揚げした「いもいもバタースティック」などが人気メニューだ。
鹿児島市出身。武岡台高から鹿児島経済大(現鹿児島国際大学)に進学。在学中のバイトで興味を覚え、都内の大手ワイン専門店に就職した。売り上げを大幅に伸ばし、ほうびの南仏旅行でいま店で扱う「自然派ワイン」に出会った。「有機的な農法や自然に近いかたちで造ったもの。生産者の情熱が伝わり、焼酎とも共通点が多い」。赤でも白でもどんな料理でも包み込む懐の深さが特徴という。
自称「薩摩大使」。柔らかい語り口で、さりげないPRを欠かさない。鹿児島関係の話題が出ると、観光名所を紹介したガイド本をすっと差し出す。焼酎を説明するときは、蔵元のある自治体の特産や風土についてもひとくさり。「鹿児島のいいところをまだまだ知ってもらいたいから」と情熱的だ。
演劇の脚本を作り、芝居や音楽会など多彩なイベントを演出する。落語家と音楽家が共演し、オペラの内容を落語で聞きながら音楽の素晴らしさも味わうことができる「落語DEオペラ」をプロデュース。2001年に東京・浅草で初演され、全国各地で引っ張りだこになった。
阿久根市生まれの鹿児島市育ち。鹿児島玉龍高時代の青少年赤十字(JRC)活動で、施設慰問の演劇の脚本を手掛けたことが転機になった。「自分が演じるより人に演じてもらうほうが面白い」。明治大に進学して演劇学を専攻した。
在学中から劇団「青俳」の養成所や演出部に所属。「著名な演出家の助手を務めたことが大きな財産になった」と振り返る。20代半ばで劇団を旗揚げ、現在は「AUZA(会座)」代表。「芸術は決して敷居が高いものではない。一般の人も身近に肌で感じてほしい」との信念で創作活動を続ける。
多忙でなかなか帰省できないが、みそやしょうゆ、水、お茶など故郷の食材にこだわる。「晩酌は鹿児島の芋焼酎を黒ヂョカで飲む」と笑う。