
<2007/07/05本紙掲載>
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長めの捨て糸が奏功
釣れるかどうかは半信半疑だったため、持参した餌はサバ10匹のみ。3時間ほどたった時点で餌は残り8匹となった。「これでは餌が朝までもたない」と思い、ほかの魚に狙われないよう、捨て重りに付ける捨て糸を1メートルから3メートルに伸ばし、餌が漂う範囲を広くした。これが正解だったようだ。 午後11時、併用していたイシダイ用のさおに鋭い当たりを感じた。リールからどんどん糸が出ていき、さお先が折れた。「大物がいる」と確信し、アラ用のさお1本に集中した。 30分ほどして当たりを感じると、左手で道糸、右手で岩をつかみ、強い引きをしのいだ。それから30秒は締め込みをしのぐので精いっぱい。「海に落っこちてもよか、絶対に道糸は離さないと思った」。獲物が弱ったころ、岩をつかんでいた右手でリールをまいた。 アラが見えてくると、海辺に降りて素手で持ち上げた。「ギャフを忘れてしまって…。当たりがあってからは何も覚えていない。うれしさより、早く上げないと獲物が逃げるのが心配だった」。その後は疲れでぼうぜんとし、何も釣る気がしなくなった。翌朝、迎えの船が着いたとき乗客から祝福され、やっと喜びがわいてきたという。冬はなべ物、夏は刺し身やあら炊きがおいしいアラ。しかし「あまりにも大きいので自分で調理できず、人に譲った」と話す。 釣り歴20年になる徳永さん。初めは自動車販売の営業マンをしていたが、釣り好きが高じて「体力を付けたい」と鉄筋工へ転職した。シャツの袖からのぞく浅黒い両腕は、筋肉が付いて太い。現在の握力は70キロ。その徳永さんが「ぐたーっとなった」というほど、アラの力は強かった。 今回はさおを手に、獲物との力勝負を味わった。「釣りの醍醐味を感じた。今思えば、甑島で42キロのアラを釣り上げたときは、さおを岩に固定していたので楽だった」と話す。鉄筋工として県内の現場を回っており、各地で釣りをするのが楽しみだという。 園田釣具店(枕崎市)の園田清美さん(67)は「アラのシーズンはまさにこれから。8月ごろまで、まだまだ釣れるでしょう」と話す。大物への期待感を持たせる今回の釣果だった。 |



アラが見えてくると、海辺に降りて素手で持ち上げた。「ギャフを忘れてしまって…。当たりがあってからは何も覚えていない。うれしさより、早く上げないと獲物が逃げるのが心配だった」。その後は疲れでぼうぜんとし、何も釣る気がしなくなった。翌朝、迎えの船が着いたとき乗客から祝福され、やっと喜びがわいてきたという。










