チヌは産卵する春に大型が釣れるが、川添さんによると、鹿児島湾はチヌの絶対数が多く、夏、秋でも大型が狙え、「まさにチヌの海」と話す。夏チヌの魅力は、水温が高いため動きが活発で、春より引きが数段強いこと。また、フジツボなどを食べに堤防に近寄り釣りやすいという。
この日は釣り仲間の古野輝紀さん(27)=鹿児島市伊敷7丁目、会社員=と昼すぎからさおを出した。フカセ釣りで、付け餌もまき餌も生オキアミ。浮き止めを付けず、タナをくまなく探る「全層釣法」でチヌを狙った。
大事なことはまき餌と仕掛けの同調。浮きはあたりを知るためではなく、海中に沈めて仕掛けを潮に乗せるために用いる。強風や、表層と底の流れが違う二枚潮でも同調しやすくなる。
釣り場には北向きの潮が流れていた。流れが強いと仕掛けが沈まず、底近くのタナに届かないので、ハリスにガン玉を付けて沈めた。弱いときは外し、流れの強弱に応じて対応した。午後2時ごろ道糸がピンと張った。合わせを入れると、手前に走って手応えを感じない。「たいして大きくないな」と思ったが、突然反転し沖へ走り出した。さおを起こせなくなるほどの強さ。係留ロープなどを避け、沖の深場に誘導、弱らせて3分後にタモに納めた。
この日はほかに33−35センチのチヌを5匹、37−38センチのキチヌを2匹釣った。古野さんも50センチ、35センチのチヌ2匹の釣果だった。川添さんは「鹿児島湾の魚影の濃さを実感した」と話す。
今後も秋にかけ大物を狙うが、夏は餌取りも増えるのでまき餌を2、3カ所に打ったり、付け餌を食べられにくい団子やボイルオキアミにするなど対策も必要という。「難しいが、問題を攻略し狙い通り仕留めたときが一番うれしい。“釣れた魚”ではなく、“釣った魚”になるから」と話した。














