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 男の子はサッカー選手、学者、警察官。女の子は食べ物屋さん、保育士、先生。第一生命が子どもにアンケートした「大人になったらなりたいもの」の順位である。

 ほかに医者、大工、バスなどの運転士、看護師にペット屋さん…。五輪や震災といった出来事に影響される面はあるものの、ここ数年の上位陣に大きな変化はない。身近で活躍する人をきちんと見てくれているようでうれしい。

 この先、頑張って夢をかなえてほしい。そう願いつつも「できれば地元で」と拝むように見守る人もいるだろう。高校・大学を卒業し鹿児島を離れて就職する例が目立つからである。思うような仕事がなくて都会に出ざるを得ない事情も分かる。

 こんな人もいる。鹿児島出身のIT会社社長は15年前、東京から県内に開発の拠点を移した。地理的ハンディは情報通信技術で埋め、大手で経験を積んだUターン希望者の受け皿にもなっている。

 地元で若手を育てたいと新規採用を進めるが、知名度不足の壁は高い。親や学校の先生は名の通った県外企業を勧めがちだ。待遇面で大手に及ばなくとも、近くに家族や友人がいるという恵まれた環境で働くよさがなかなか伝わらない。

 地元での充実した暮らしも格好いい。そんな姿に憧れる子が増えてほしい。「大人になって働きたい場所は」の問いがあったら、「古里」との回答は何位になるだろうか。