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 最近のファッション用語に「抜け感」というのがあるそうだ。完璧を目指すおしゃれではない。袖や裾をたくしあげるなど、あえて力の抜けた雰囲気を演出するのがポイントらしい。

 「頑張りすぎず、毎日の生活を楽しむ余裕があると感じさせる点が支持されているのではないか」と大手化粧品会社の広報担当者。ストレス社会を少しでも快適に過ごそうとする工夫にもみえる。

 ゴールデンウイークである。今年は明日、明後日を休めば9連休も見込める。春から新しい環境に飛び込み、緊張を強いられてきた新入生や新入社員も、久しぶりにゆっくりとした時間が持てるのではないか。

 ただ、長い休みの後に、心身の不調を訴える人は少なくない。五月病である。朝起きられなかったり、体がだるかったりして学校や会社を休みがちになる人もいる。疲労が一気に吹き出して、生活のリズムが乱れてしまうのが一因のようだ。

 詩人の高村光太郎は「新緑の頃」で<五月六月の日本列島は隅から隅まで/濡(ぬ)れて出たやうな緑のお祭>と表した。自然に恵まれた鹿児島県だ。遠出しなくても、みずみずしい緑を眺めるだけで疲れた心や体を癒やせるだろう。

 天気予報では、連休前半の県内はおおむね晴れ。幸いにも行楽日和のようだ。少し肩の力を抜いて生活にも上手に抜け感を取り入れたい。連休明けの足どりも軽やかになるに違いない。