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 「21世紀に間に合いました…」。世界初の量産型ハイブリッド車が売り出された20年前のうたい文句だ。エンジンキーを回しても全く音がしない。発進時の聞き慣れないモーター音が「環境の世紀」への期待を膨らませた。

 これを機に、電気自動車(EV)などのエコカー開発に火がついた。だが、EVの価格は割高だ。1回の充電で走れる距離でも、ガソリン車にかなわない。水素で走る燃料電池車も登場したが普及はこれからだ。

 福島第1原発の事故以降、九州では太陽光発電が急増している。晴天時に出力が急上昇すると、電力の需給バランスが崩れて停電の懸念があるらしい。安定供給のために調整が必要というが、電気を捨てるようで何とももったいない。

 余った電力も大切にしようという離島の試みに注目したい。薩摩川内市の甑島ではEV40台を導入した。奄美大島と種子島では、太陽光の電力を蓄電池にためて夜間に使っている。

 EVも蓄電池も、原発に依存しない持続可能な社会の実現には欠かせない。太陽光は無尽蔵で、ごみも出ない。島で実験を成功させ、再生可能エネルギー活用の手本を示してほしい。

 日本中でガソリンを使わない車が走り回る。そんな光景が珍しくなくなるのはいつの日か。再生エネルギーを社会に根付かせるための取り組みも急ぎたい。次の世代に「間に合いました」と胸を張れるように。