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 「降灰には参りました」。県外出身の新人記者が桜島の洗礼を受け、ぼやいた。「この程度で」。すかさず県内組が応じる。鹿児島暮らしは火山と切り離せないことをそのうち痛感するだろう。

 桜島や霧島の火山活動に目が離せない中、気になる記事が載った。4億4000万年前ごろに起きた最初の生物大量絶滅は巨大噴火が原因だったという。東北大学大学院などの研究チームが地層中の水銀から導き出した。

 噴火で上空1万メートル以上の成層圏に放出された火山ガスが浮遊微粒子となって太陽光を遮断する-。「日傘効果」といわれる現象で日差しが弱まり、寒冷化し、生物絶滅を引き起こしたらしい。

 規模は小さいが、似たようなことが1991年のフィリピン・ピナトゥボ火山の噴火で起きた。20世紀最大といわれ、噴煙は成層圏に達し、気温低下を招き、世界の気象に影響を与えた。

 2年後の93年、日本が冷夏と長雨に見舞われたのもそのためだ。エルニーニョの影響も加わり、「8・6豪雨」をはじめ、甚大な風水害が発生した年として忘れることができない。鹿児島と火山の因縁深さを感じる。

 先週、車の運転に危険を感じるような大雨が降った。24年前の記憶がよみがえった。奄美が梅雨入りし、南九州も間もなくだろう。「体験を風化させず、気を引き締めてかかれ」という天の声か。火山、地震、台風…。警戒を怠るまい。