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 東京都議選が大詰めを迎えた今月初め、民進党蓮舫代表の演説を聞いた。足を止める人は少なく、昨夏の参院選の応援で大勢の聴衆を集めた人気がうそのようだった。世論の冷ややかさが身に染みたことだろう。

 蓮舫氏がきのう、突然辞任を表明した。野田佳彦幹事長の辞意で収まるかに見えた党は迷走するばかりである。幹事長の後任人事の難航が伝えられ、本当の狙いは「蓮舫降ろし」にあるとささやかれていた。八方ふさがりとはこのことだ。

 知名度を武器にかじ取りを任されたが、内向きの議論だけが目立っていた。「残業代ゼロ法案」を巡って支持組織の連合から蚊帳の外に置かれ、深い溝が浮き彫りになった。目玉になると期待された原発ゼロの法制化も、連合傘下の労組と折り合いがつかないでいる。

 国政では野党第1党ながら都議選の当選者はわずか5人止まり。歴史的大敗を喫した自民党への批判票の受け皿になり得えなかった責任は重い。執行部への不満は蓮舫氏の二重国籍問題を再燃させた。

 森友・加計学園問題が尾を引き、安倍内閣の支持率は急落している。それでも野党合流や新党結成は見通せない。国の将来を担うべき政党の混乱は実に情けない。

 蓮舫氏は会見で「統率力が不足していた」と反省の弁を述べた。民進党はどこに向かおうとするのか。腰が定まらない毎度のお家騒動にはうんざりさせられる。