( 8/10 付 )

 東京から帰省した友人が焼酎を飲みながらうれしそうに語り出した。「鹿児島が全国で2番だったねえ」。野村総合研究所が先月発表した「成長可能性都市」のランキングである。その夜は心地よく杯を重ねた。

 全国100都市のうち、これから成長する可能性の高い都市として、鹿児島市は福岡市に次いで2位になった。いわば、“伸びしろ”が大きいという評価だろう。

 産業を生み出す総合力でも、東京23区、福岡、京都、大阪に次いで5位だった。ここまで高く評価されると、何だか面はゆい。調査は企業数や物価などの統計に、住民の幸福度や街の雰囲気など数字で表しにくい指標も加味したという。

 鹿児島市は地域の助け合いや自然の豊かさなど、暮らしの質で高い評価を得た。故郷を離れて久しい友人は「それほど意外ではない」と受け取ったようだ。潜在能力に気づいていないのは、住んでいる者だけかもしれない。

 伸びしろが大きいということは、別の言い方をすれば現状が物足りないともいえる。地域の経済力や外国人の活躍、教育・人材の充実といった指標は総じて低い。秘めた力を産業や雇用の創出に十分生かせていないことを物語る。

 では、60万都市の弱点をどう克服すればいいか。具体策はなかなか見つからないが、「やればできる」と褒められたのだから心強い。その気になって、知恵を絞らねばなるまい。