[終盤国会] 「共謀罪」「加計」なお疑問
( 6/14 付 )

 国会は終盤を迎えている。焦点の「共謀罪法案」や「加計学園問題」などは多くの問題点を積み残したままだ。幕引きを急いではならない。

 政府、与党は18日までの国会会期を10日間前後、小幅延長する方針だ。「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案を確実に成立させる狙いである。

 一方、安倍晋三首相の友人が理事長を務める学校法人「加計学園」の獣医学部新設計画を巡る問題では、真相解明に及び腰だ。

 共謀罪法案の成立は期すが、加計問題で野党の追及を受けたくない-。会期の小幅延長方針にはこうした思惑が透ける。

 今、国会に求められているのは党利党略を離れて審議を尽くし、国民の疑問や懸念に丁寧に応えることである。

 共謀罪法案の衆院審議は、審議時間が目安の30時間に達したとして採決が強行された。参院では先週まで16時間にとどまっており、与党は審議時間の積み上げを急ぐ意向だ。

 だが、重要なのは審議の中身である。金田勝年法相の答弁は依然不安定で、質疑はかみ合っていない。これでは議論の深まりようがない。

 法案の問題点の一つは「何をすれば罪になるか」の線引きがあいまいなことだ。277に上る対象犯罪の選定理由も明確でなく、監視社会を招くとの懸念は根強い。

 このまま数の力で法案を成立させれば、将来に禍根を残す。疑問が解消されないなら、いったん法案を引っ込めるのが筋だ。

 今国会の重要法案には、性犯罪の厳罰化を柱とする刑法改正案もある。国民からすれば、こちらの法案成立が優先だ。

 加計学園問題では、「総理の意向」などを記した文書の再調査に文部科学省がやっと乗り出すことになった。

 とはいえ、再調査は第三者が関与しない「身内調査」だ。しかも文書の内容を伝えたとされる国家戦略特区担当の内閣府は、調査をしないと明言している。

 おざなりの調査に終わらせてはならない。事業者選定の過程で行政がゆがめられなかったか徹底検証する必要がある。

 前川喜平前文科次官の証人喚問はもとより、文科省や内閣府の担当幹部らを国会に呼び、証言を積み上げることが欠かせない。

 森友学園問題に続き、加計学園問題を巡る政府の不誠実な対応に国民の政治不信は深まっている。

 国会はこうした厳しい視線を自覚し、その役割をしっかり果たさなければならない。