[森友・加計問題] うやむやにせず争点に
( 10/5 付 )

 衆院選の争点は多岐にわたる。うやむやにしてはならないのは、解散を巡り安倍晋三首相が疑惑隠しと批判されている学校法人「森友・加計学園問題」の解明だ。

 首相は記者会見などで、「真摯(しんし)に説明責任を果たす」と強調してきた。

 しかし、その言葉とは裏腹に、臨時国会の質疑も経ないまま解散総選挙に打って出たことに不信感を募らせている国民は多い。

 9月末の共同通信の世論調査では、8割近い国民が政府の説明に納得していない。

 政治家として「説明責任」をきちんと果たしているのか。そもそも国家戦略特区制度自体に問題点はないのか。

 選挙戦では首相がどこまで丁寧に説明し、疑惑を払拭(ふっしょく)できるかが問われる。野党も非難中傷に終始することなく、建設的な議論を展開する必要がある。

 森友・加計学園に共通するのは首相と近い関係にあり、官僚らの忖度(そんたく)や働き掛けがあったのではないかとの疑惑が生じたことだ。

 大阪市の森友学園を巡っては、理事長夫妻が国などから補助金をだまし取ったとして詐欺罪で大阪地検に起訴された。

 捜査の焦点は、国有地を約8億円も値引きして学園に売却し国に損害を与えたとする財務省近畿財務局の担当者の背任容疑に移っている。

 安倍昭恵首相夫人は一時、小学校の名誉校長に就任。夫人付の政府職員も国有地に関し財務省担当者に問い合わせをしたことが分かっている。

 財務省側は、学園側との交渉記録も廃棄したとして説明を拒んできた。一連の経緯を究明しなければ疑惑は晴れない。

 一方、岡山市の加計学園が国家戦略特区制度の下で獣医学部を新設する計画を巡っては、文部科学省から「総理の意向」などの記録文書が見つかった。

 首相官邸や特区を担当する内閣府から、文科省に圧力がかかったことがうかがえる。この点、前川喜平前文科次官の証言も大きい。

 学園の理事長は首相の「腹心の友」だ。当初から「加計ありき」で学部新設が進められたのであれば、公平であるべき行政がゆがめられたことになろう。

 「希望の党」代表の小池百合子東京都知事は、以前から「お友達関係でやっている間は特区の意味はない」と批判している。

 有権者は選挙戦で繰り広げられる論戦を見極める必要がある。