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07/02/22 本紙掲載
最終日詳報

2月21日 根 占−鹿児島 11区115.5キロ

  1. web写真速報
  2. 日間総合順位
  3. 区間順位

王者姶良 さらなる進化

 第54回鹿児島県下一周市郡対抗駅伝競走大会最終日は21日、総合順位で姶良が大会初の6連覇を達成。曽於が今大会2度目の日間優勝を果たした。
 終始上位を維持した姶良は、日間優勝こそ逃したが総合首位は譲らなかった。3区で日間首位に立った曽於は、その後もリードを広げ追い上げる姶良を振り切ったが総合では2位。前半出遅れた鹿児島は後半巻き返し、日間3位で総合でも3位。Aクラス入りを争った肝属、川辺は、肝属が川辺を振り切り総合4位を死守した。総合順位は以下、川薩、日置、出水、伊佐、指宿、熊毛、大島と続いた。

レース評

曽於、2度目日間V 5位川辺、9位伊佐

 前半に大量の貯金をつくった曽於が2連続日間優勝。姶良は後半の追い上げが届かず2位、3位には鹿児島が入った。
 4位発進の曽於は坂中省、田中が堅実につなぎ4区エース永田へ。区間2位に1分35秒差の区間新で制すると9、10区の坂中伸、中野も連続区間賞で姶良を寄せつけなかった。
 姶良は計10区で区間4位以内ながら、4、10のエース区間が不発。繰り上げとなった5、6区で新中、中満が粘った。鹿児島は1区8位と出遅れたが、中盤の祁答院、有園が立て直した。7区の高校生鈴東は暑さの中、区間記録を48秒塗り替える力走を見せた。肝属は1区尾尻が1位で好発進。ベテラン立迫や連走の松村、伊藤が粘り日間4位。累計でも川辺を突き放しAクラス残留を決めた。
 伊佐は5区原水が区間2位を1分24秒突き放す区間新の快走。7区内村も好走し5位に食い込んだ。4位以内目標の川辺は6位。ポイントで小宮、福吉が踏ん張り、6区夏越の好走が光った。日置は各人が安定した走りで7位。7区冨迫俊は3連走で区間4位と力走した。出水は11位スタート。前半低迷したが、6区大迫らスターゼンミート勢がカバーし順位を上げた。
 9位川薩は2区久保の区間賞などで好調に滑り出したが、5区以降4度のブレーキが痛い。熊毛は序盤寺田俊、濱崎で好位置につけたが3区以降苦戦。終盤に主力が安定した走りで10位とし、総合で5年ぶりの最下位脱出を果たした。指宿は3、4区の雪丸兄弟の好走が光った。大島は5日間連続の最下位発進。後半の壽藤修、武田が踏ん張った。
 垂水市内のコース上で災害復旧工事に伴う複数の片側通行規制が行われたため、第4、第5中継所では1位に合わせて残り11チームも同時にスタートする繰り上げ措置が取られた。このため、5区以降は通過順位と日間累計順位が異なる現象が起こった。

ハイライト

姶良 我慢重ね好敵手下す

第10中継所、姶良・アジス・アズジ(右)から大前允人(左)へ、後方は曽於・中野良平(右から2人目)から江川一正へのたすきリレー=鹿児島市吉野町

 前人未到の総合6連覇を果たした姶良。我慢の5日間を象徴するかのように、総合優勝した6大会で初めて最終日を日間2位で終えた。だが選手一人一人が着実にタイムを積み上げ、ライバル曽於を累計タイム差2分55秒で振り切った。主将小倉千は「ここまで苦戦するとは。見ている人は面白かったと思うが、走っている方はきつかった」と苦笑した。
 第4日までに曽於とついた累計タイム差は4分24秒。リードこそしていたが、この日相手は“大砲”永田を4区に投入。差は1分53秒に狭まり、アクシデント1つでひっくり返される恐れも十分あった。
 「区間賞狙いで他選手の背につくのはダメだ。1秒でも多く曽於を離せ」(田中行夫監督)。この日は災害復旧工事の影響で5、6区は1位につけての繰り上げスタートとなった。その区の12人全員がほぼ同時に飛び出すため、駅伝というよりマッチレースの連続。混沌(こんとん)とした状況のなかで新中、中満が積極的に攻める。「一緒に走る相手がいてかえってよかった」と中満。8区竹ノ内も自分のペースを守り、その差を4分3秒に。曽於の追撃をかわすことができた。
 初日からアンカー勝負にもつれ込むなど、波乱に満ちた大会だった。「それでも『6連覇』を合言葉に、チームに不安はなかった」と小倉千。オーバーペースになって失敗した若手が出走を重ねるごとに成長を見せるなど、収穫も多い。1分1秒の重みを再確認した“常勝軍団”は、ライバルの存在を得てさらなる進化を遂げたといえる。

ヒーロー

強い向上心 先輩猛追/曽於10区・中野 良平(第一工大2年)

区間1位の力走で、日間優勝に貢献した曽於・中野良平(第一工大2年)

 各チームのエースがそろう10区。7.4キロの中間点を過ぎ、目の前に海が広がる道路にさしかかった時点で、約300メートル先を走る姶良・アズジの姿をとらえた。じわじわと追い上げ、残り約100メートルで並んだ。最後は意地をみせたアズジに1秒遅れでたすきを渡したが、堂々の区間トップ。「アズジの調子が悪かったから、ちょっとラッキー。運が味方してくれた」とほほえんだ。
 第一工大の先輩にあたるアズジとは、最終日までにいずれもエース区間で2度対決した。初日3区は区間賞に輝いたが、第3日の3区はアズジに軍配。戦績1勝1敗としたが、「初日は9秒差で勝利。でも2戦目はそれ以上の17秒差で負けた」。リベンジに向け闘志を燃やしていた。
 持留光一監督は「ハートが強いから、安心して見ていられる。今日も一定の速さで着実な走りだった」とたたえるが、「ペースを上げられなかっただけ」と自己評価は厳しい。「互いにベストな状態で臨んだ2戦目の負けが、今の実力」。向上心の強さに伸びしろの多さがうかがえる。
 177センチ、57キロ。もがくように進む独特のフォームで粘り強い走りが持ち味。昨年11月には国際千葉駅伝の日本学生選抜チーム入り。3月のユニバーシアード予選会出場も決まっている。
 「とにかく今は精いっぱい走るだけ。こんな走り方、速いから豪快だといってもらえるけど、遅かったら見苦しいだけですよ」とおどけた。

新人活躍

肝属・尾尻 琢磨(鹿屋体大1年) “練習感覚”で区間賞

 1区中継所前のラストスパート。軽やかなピッチを刻み、2位と3秒差で区間賞に輝いた。「レースの緊張感の中で、どれだけ自分を追い込めるか。結果を気にせず練習の一環のつもりで走ったのが結果的によかった」とほほ笑んだ。
 沖縄県出身。初日2区で区間4位の好走デビュー。2回目の出走は、新人ながら3日目の3区。各チームのエースが並ぶ重要区間を任された。すっかり主力の一員だ。
 長距離に挑戦し始めたのは大学から。「自信になった。これをいいきっかけにしたい」と意気込んだ。

■C級優勝B級入り 出水、攻め姿勢貫く
10区2キロ付近、出水・丸橋雄太(左)が伊佐・廣原光弘(中央)、川辺・福吉公輝と競り合う=加治木町木田
  出水が、C級優勝とB級入りという大会前の目標をクリアした。3年前はA級にいたチームが再び浮上のきっかけをつかんだ。
 C級脱出圏内の総合8位で迎えた最終日。だが、2区東福が「1つ上の日置を追う」と力を込めれば、1月の全国都道府県対抗駅伝出場の4区松原も「日置との差は2分49秒。その差を少しでも縮めたい」。チームには守りよりも攻めの意識しかなかった。
 滑り出しは11位と、高校生が走った1区から5区までは我慢のレース。だが、6区大迫の区間4位など社会人勢がうまくカバーした。最後は、3連走した松永が区間3位の好走を見せて8位。結果的に7位日置との差は6分以上に広がったが、大会を通じてチームワークと粘りが光った。
 今年からスタッフ陣を一新。夏場からの合宿では、東村光弘監督も選手と一緒に寝泊まりするなど、丁寧にチームをつくり上げてきた。関東の大学から帰郷し、高校2年以来5年ぶりに出場した松永は「温かい雰囲気。すぐにチームに貢献したいと強く思った」。
 東村監督は「最低限の目標を達成できたのでよかった。大会を通じ、選手には1秒を大切に1つでも上を目指す姿勢が強まった」。昨年から上げた順位は1つだが、チームがつかんだものは大きい。
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