最下位デビューばねに
伊 佐 木村 大樹さん(25)
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| 「1年323日くらいは走っているかも」という木村大樹さん=大口市陸上競技場 |
チーム仲間から「キム」の愛称で慕われる。大口伊佐清掃社に勤務しながら、ひょうひょうと、でも好きな走りにマジメに打ち込む姿に、周囲は「走りすぎ、といわれるほど走る」「いい意味で頑固。練習に対して自分の考えをしっかり持っている」と評する。
松元満雄監督(50)も「練習量は年間を通して一番多い。長い区間で安定した走りができる選手」と熱い信頼を寄せる。
大口小学校2年生のとき水泳部に入った。温水プールがなくて泳げない冬場のトレーニングで走り始めたのが最初だった。4年時にスイムランクラブが発足。本格的に走る楽しさを知ったのはそのころだ。
大口中学校から高校駅伝の名門、中京商業(岐阜)へ進んだ。第一工業大学時代には九州学生駅伝で優勝経験を味わい、全日本大学駅伝の大舞台も踏んだ。
県下一周デビューは大学1年。「初日の1区で緊張して、ちんがらっ、やらかしました」。11位と2分近い差をつけられての最下位の成績は、さぞ悔しかっただろう。当時の新聞に「もっと鍛えて来年は今よりもいい走りをしたい」と「ひとこと」を残した。言葉通り年々力をつけ、今ではチームに欠かせないエース級になった。
7回目の出場となる今年、抱負を聞くと「無難に走ること」と笑顔ではぐらかした。だがしばらくして「これまで区間2位が自分の最高。そろそろ区間賞をとりたい」と闘志もちらりのぞかせた。得意の長距離でチーム順位底上げへの貢献を狙う。
中学、高校と同級生だった原水幸一さんがトヨタ九州の実業団をやめて昨年帰郷し、今回初めてチームに加わる。原水さんは「もう引退するつもりだった。『一緒に走ろう』と、木村に誘われなければ走らなかっただろう」と話す。
木村さんは「原水には負けたくない。存在がいい刺激になっている」と言い、「自分がどこまでやれるかやってみたい。それにある人との約束もあるし、まだまだ走りへの挑戦を続けたい」。その約束とは「ヒミツ」だという。


