「沿道の声援」次世代に
出 水 坂元 清蔵さん(52)
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| 「子供たちと一緒に選手を応援したい」と意欲を見せる坂元清蔵さん=阿久根市赤瀬川の市総合運動公園 |
1月下旬、夕暮れの阿久根市総合運動公園。ラダーやミニハードルを使って基礎練習を反復する阿久根陸上スポーツ少年団の小学生たちを頼もしそうに見つめる。同少年団が発足した1984年以来、週3回の指導を続けている。
「県下一周に出場する選手を育てたい」と小学生の指導を始めた。当時30歳。出水チームでベテランの域に入ったころだった。「県下一周の魅力は沿道の声援」が持論。住民の熱い応援を受けて走る喜びを、一人でも多くの子供たちに体感させたいと思った。
その思いを強くしたのは27年前、55歳で亡くなった父国義さんの存在。中学、高校、大学時代の陸上大会を見に来たことのなかった国義さんだが、県下一周には応援に駆け付けた。「うれしかった。あの父が来るなんて特別な大会なんだと実感した」。沿道で声援する父の姿を今も鮮明に思い出す。
学生時代の専門は中距離。長距離にはほとんど縁がなかったが、大学を卒業して阿久根へ帰り、スピードを買われてチームの一員に。選手として13年走った。前半からいけるところまでぶっ飛ばすスタイルを貫いた。「飛ばしすぎても残りは声援が後押ししてくれるのが駅伝」と笑う。
今回、東村光弘監督から監察員として協力を求められた。職場(浜崎魚類)に迷惑を掛けることにならないかと悩んだが、「やりたいくせに」と妻百合子さん(52)から背中を押された。コーチ陣は選手時代ともに走った仲間。気心は知れている。
「チームの土台作りが私たちの役目。強くして次の人たちに引き継ぎたい」。少年団を指導するグラウンドは、出水チームの社会人や高校生の練習の場でもある。チームの状況は毎年把握しており課題は分かっている。
大会前に少年団員が選手へエールを送るのが恒例だ。現在団員は70人。「チームに入ったことで、県下一周をより身近に感じてくれたら」。沿道の声援を子供たちにいつか味わわせたいという願いをいつも胸に抱いている。


