第54回県下一周駅伝総評
第54回県下一周市郡対抗駅伝競走大会は21日、姶良が大会史上初の総合6連覇を果たし、5日間の幕を閉じた。12チーム252人による53区間592.7キロの戦いは、総合優勝をめぐる姶良、曽於の一騎打ちが最終日までもつれるなど、各クラスで激しい戦いが繰り広げられた。一方で気温上昇の影響もあり、記録面は全体的にふるわなかった。昨年に比べてタイムを短縮したのは熊毛、曽於の2チームにとどまった。
記録振るわず課題

- 初日から波乱のレース展開となった今大会。競り合う1区の選手たち=鹿児島市谷山中央2丁目

今大会の特徴として上位と下位の力の接近がある。繰り上げスタートを行った区間の合計は53回の25から21と減少。たすきがつながる「駅伝らしい駅伝」となり沿道を沸かせた。ただ最下位の累計タイムが前回より約21分短縮されたのに対し、優勝記録は11分12秒遅い。つまり大会全体のレベルは上がっていない。陸上関係者は「大幅なコース変更から4年。半数のチームがタイム短縮するぐらいになってほしい」と指摘する。
総合優勝した姶良と2位曽於はそれぞれ日間優勝2と分け合い、5日間累計タイム差は2分55秒。過去10大会では45回での姶良、鹿児島の2分16秒差に続く接戦となった。逆転劇、猛追とアンカー勝負も2度あり、目の離せないレースが続いた。
姶良は中盤以降に配した引地、久保山ら主軸で巻き返す展開が目立った。つなぎ区間での若手、中堅の補強が7連覇に向けての課題といえる。曽於は姶良と好対照な前半型。谷口亮、永田、中野の“大砲”が貯金と勢いを生み、後続の踏ん張りにもつながった。主力の故障がなければ、優勝争いはさらにし烈を極めただろう。
もう1組注目を集めたのはAクラス最後のイスを懸けた肝属、川辺の競り合いだ。第4日を終えて累計58秒差の大接戦は、連走の鹿屋体大勢が踏ん張り肝属に軍配。川辺は福吉を加えた永田、千知岩、中木原の4本柱で戦ったが5位。
高校生や大学生の活躍が光った大会でもあった。鹿児島は最終日区間新の高校生鈴東、力のある前田ら大学3、4年生と社会人勢がうまくかみあい目標通りの3位を達成した。
6位川薩は富士通IMT九州勢7人が好調。50年ぶりとなる第2日の日間優勝を飾ったが、主力の重点配備が後半に響いた。そのなかで折田、久保ら高校生が奮闘をみせた。
日置は第2日に吹上中出身の高校、大学生4人がそろって区間賞の活躍。力のある社会人の加入で総合順位を1つ上げ7位とした。昨年Cクラス転落の出水。松原、日隈ら高校2年生のほか今春閉校となる阿久根農高勢が気を吐き、1年でB級に復帰した。
今大会35分7秒の躍進タイムを出した熊毛は、登録21人中10人が高校生。鎌田悠、寺田俊ら県トップ級の3年生が堅実に走り5年ぶりの最下位脱出を果たした。
順位を1つ上げ9位の伊佐は実業団経験者・原水の加入が大きかった。チーム初の1大会3区間賞を達成。廣原、内村ら主力も奮起、エース級が復帰する来年に向け期待を持たせた。
反対に核となる選手のいないチームは精彩を欠いた。指宿は主力の故障、不調が大きく響き7位から10位に転落。地区内の市町合併も控えており、競技者の発掘はもちろん既存選手のレベルアップが急がれる。大島は5日間とも最下位発進で、浮上のきっかけをつかめなかった。首脳陣の危機感は強く、長期的な選手育成を図りたい。

