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08/02/17 本紙掲載
第1日詳報

2月16日 鹿児島−加世田 11区129.5キロ

  1. web写真速報
  2. 日間総合順位
  3. 区間順位

姶良が日間優勝 曽於追撃 4区間賞

 第55回鹿児島県下一周駅伝第1日は、姶良が日間優勝を奪った。
 姶良は2区武田、6区引地ら5つの区間賞で中盤以降、レースを引っ張った。姶良の7連覇阻止を狙う曽於は、3区中野の区間新や4区谷口の区間賞の走りなどで追い上げ、5区以降は2位をキープした。7位スタートの川辺は充実した布陣で順位を上げ、3位に入る地力を見せた。肝属は1区伊藤の区間新など序盤レースをリードし、4位につけた。鹿児島は1区12位と出遅れたが、8区南雲、10区前田伯の区間3位の好走など若手が勢いをつけ、5位に入った。
 出水は終盤の踏ん張りで6位、郷土を走った指宿は7位と意地を見せた。日置、伊佐は出入りの激しいレースでそれぞれ8、9位、1区11位の川薩は挽回(ばんかい)できず10位だった。熊毛は1区の高校生鎌田が最後までトップ争いを演じるなど勢いを生かしたかったが11位に終わり、大島も浮上のきっかけをつかめなかった。初日は第4−9中継所で繰り上げスタートとなった。

レース評

出水粘り6位 2秒遅れ指宿

 終始安定感が光った姶良が初日を制した。5位でたすきを受けた2区武田が区間賞の快走で3人を追い上げると、3区久保山で一気に首位に浮上。4区で曽於に追いつかれたが、5、6区の小倉和、引地が連続区間賞を奪い差を広げた。終盤も安定した走りで首位を譲らず、逃げ切った。
 曽於は2年連続2位発進となった。1区9位と出遅れたが、3区(13.3キロ)中野が39分12秒の区間新で一気に差を詰め、2位に浮上。4区谷口も区間賞を奪いトップに立った。再び大きく姶良にリードを許したが、アンカー坂中伸が区間賞の力走で差を縮めた。
 し烈な3位争いを制したのは川辺。7位スタートで前半は浮上のきっかけをつかめなかったが、千知岩、小宮ら後半4人が区間2位に食い込み追い上げた。4位肝属は1区(12.9キロ)伊藤が38分54秒の区間新と好発進。一時5位に順位を下げたが、後半の吉田、立迫らが踏ん張り、最終区吉川で一つ順位を上げた。鹿児島は5位。1区12位ながら2区東、4区外山善が区間2位と健闘し、一気に順位を押し上げた。
 6位出水、7位指宿は2秒差の接戦。出水は平郡、谷尾の中盤勢がじわじわと追い上げ、9区区間2位の銅口ら終盤も踏ん張った。指宿は5、6区の浜田、折尾がそれぞれ2人抜きの快走。後半勢も粘った。8位の日置は出入りの激しいレースとなった。1区松枝翔が区間4位に入ったが、3区までに11位に転落。篠原、早馬らが順位を押し上げた。
 9位伊佐は1区原水が区間3位。前半は順位を下げたが、10区区間賞の廣原らが踏みとどまった。川薩は苦しいレースを強いられ10位。10区久保が粘ったが、及ばなかった。11位の熊毛は1区鎌田が区間2位と健闘し、前半は上位争いに食い込んだ。大島は最下位を喫したが、昨年の記録を2分41秒短縮した。

ハイライト

姶良7連覇へ底力−つなぎ区間で流れ

第5中継所、姶良・小倉和広(右)がトップで引地剛へたすきを渡す=指宿市山川利永

 未到の7連覇に挑む姶良が万全の滑り出しを見せた。層の厚さが際立ち、中盤以降は他を寄せつけない強さで圧倒。理想通りのレース運びに、田中行夫監督は「うまくつないでくれた。大砲がいない分、つなぎ区間でうまく稼げた」と手応えを語った。
 主力が集まる1区が区間5位、3区はライバル曽於に区間記録で1分以上差をつけられた。だが、つなぎ区間での安定した力がその差を上回った。
 流れを引き寄せたのが2区武田。首位肝属と1分8秒差でたすきを受けると、序盤から加速。中間地点までに3チームを抜き去り、終盤は肝属とデッドヒートを繰り広げた。追い風の助けもあって、設定タイムより約1分速い快走。「全部抜こうという気持ちで積極的に追いかけた。少しは貢献できた」と笑顔を見せた。
 その後、4区までにエース中野らを投入した曽於に迫られたが、後続がしっかりとばん回。5区小倉和が前半でじわじわと引き離し、続く引地も故障が回復したばかりながら、強い向かい風の中で力強い走りを見せた。2人に加え、後半の小倉千、立元も区間賞を奪いさらに差を広げた。
 「エースがそろう区間では混戦になる。その分、少しでもチームを楽にさせたかった」と小倉和。引地は「ここで優勝を決めたいと思った」と力を込めた。
 昨年は、曽於に最終日のアンカーまでもつれ込む苦戦を強いられた。「完全優勝を狙いたい。次の2回もしっかり走る」と武田。初日で曽於に1分39秒の差をつけても、選手たちに油断はない。田中監督も「今日で弾みをつけて、また頑張りたい」と長丁場の戦いに向け意欲を新たにした。

ヒーロー

リタイア バネに区間新/肝属1区・伊藤 文彦(鹿屋体大4年)

区間新の快走をみせた伊藤文彦

 エースが集まる初日の1区12.9キロ。軽やかな足どりで鹿児島市の谷山坂之上中継所にトップで現れたのは鹿屋体大4年の伊藤だった。晴れやかな表情でゴール前で軽く腕を上げた。これまでの記録を7秒上回る38分54秒の区間新記録。肝属の序盤のリズムをつくる快スタートだった。
 「自分のためてきた力を出せた」と喜ぶのは、ある悔しい出来事があったから。昨年10月の九州一周駅伝第6日。鹿児島県代表として同じ1区に出走し、右ふくらはぎを痛め、無念のリタイア。後続にたすきをつなげなかった。涙をにじませたその日から、悔しさを晴らす準備は始まった。じっくり故障を直した後、少しずつ走る距離を増やして調子を上げてきた。
 レースはその意気込みと成果がはっきり形になった。積極的に前に出て先頭集団を引っ張った。鹿児島市街地を抜け、1人2人と振り切り、和田坂にさしかかったあたりでスパート。最後まで衰えないスピードは1500メートルで3分49秒の記録を持つ元中距離専門選手ならではだった。
 「まだまだ満足できない。(今大会は)3回走り、迷惑をかけた分、鹿児島県に貢献したい。お世話になった肝属のみなさんに恩返しして、Aクラスを守る力になりたい」と次の出走へ意欲は衰えない。広島県出身。卒業後は自衛隊に入隊する。178センチ、60キロ。

新人活躍

出水・谷尾 政樹(JA繁殖実験センター) 次は100点の走りを

 最後の上り坂を走り抜け、たすきを渡すと体ごと前に倒れ込み、しばらく動けなかった。7区区間5位の好走。前を走る指宿の選手を抜いた場所も覚えていないくらい集中したレースに「前に行く気持ちはあったが5キロ以降、足がぱんぱんで走れなかった。70点」。悔しげだったが、監督らスタッフは「ようやった」とたたえた。
 31歳での初挑戦。昨年の7月から本格的に練習してつかんだメンバー入り。これまでお世話になった人たちが沿道で応援し、「すごく励みになった」と感謝した。
あと2回出走予定。「積極的に前に出て、100点をつけられる走りをしたい」と意気込んだ。

■川辺郷土入り3位 鹿児島と肝属抑える
9区3キロすぎ、川辺・前園憲亮(左)と鹿児島・柿内裕也が競り合う=枕崎市枕崎
 川辺が最終区まで6区間に渡ったし烈な3位争いを制した。鹿児島、肝属との3チームによる抜きつ抜かれつのデッドヒートの末だった。菊永寛恵監督も「納得の3位。残る4日間も頑張って総合でも3位になりたい」と喜んだ。
 3チームは6区終盤から混戦になり、7、8区とだんご状態が続いた。強烈な向かい風を避けようと、3人が互いに前を走る選手の後ろに回り、蛇行しながら先頭が入れ替わった。
 9区に入ると川辺の18歳前園、鹿児島の34歳柿内の一騎打ちに。ともに好調のうちに大会を迎えた若手とベテランの2人。両側に茶畑が広がる赤石鉱山を目指す坂道で柿内が飛び出したが、前園も粘り、ほぼ同時にたすきを渡した。
 最後に川辺に3位をもたらしたのは10区浜田、アンカー小宮の三豊機工勢。充実した社会人勢という下馬評通りの走りだった。浜田がいったん引き離されながらも食らいつくと、小宮はリズムのいい走りで、ぐんぐん差を広げた。小宮は「地元入りなので頑張らなきゃいけないと思った。いい弾みになった」と疲れも見せず話した。
■知事が初体験
 鹿児島県の伊藤祐一郎知事が、スタート地点の鹿児島市役所から同市下福元町の第1中継所まで、初めて本部車に同乗し、選手にエールを送った。
 沿道を埋めた市民から送られる声援を選手の視線で体感し「沿道のみなさんの(選手への)まなざしがとても優しかった」と感激した様子だった。
 1区では知事の出身地・出水の杉元博幸選手が6位と健闘。知事はあくまでも全チームを応援する立場だが、内心は郷土への応援に熱がこもっていた?
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