伊佐 主力奮闘5位 曽於 逆転Vに執念
第55回鹿児島県下一周駅伝第3日は18日、姶良が3度目の日間優勝を奪い、総合優勝争いで優位に立った。
5区で曽於に先行された姶良は粘り強く追い上げた。最終11区では引地が区間賞の走りで曽於をかわし、総合1位を譲らなかった。曽於も5区中野、6区坂中省ら主力が実力通りのレース運びで区間賞を奪い、2位を保った。Aクラス入りを狙う川辺も充実した布陣で3位をキープした。
Aクラス残留をかける肝属は、1、2区の連続区間賞などで順位を4位に上げた。鹿児島は7区祁答院の区間賞など、中盤の主力が地力を見せ5位に浮上。日置は振るわず6位に後退した。出水は7位に下がり、指宿は8位と変わらなかった。主力をそろえて地元を走った伊佐が9位に上がり、川薩は10位に下がった。熊毛は8区鎌田が初日に続き区間2位と好走し、大島は躍進順位で上位につけた。同日は第3−6中継所と第8−10中継所で繰り上げスタートがあった。
川辺安定 3位を堅持−日置、序盤振るわず後退
地元入りの姶良が今大会3度目の日間優勝を達成した。3区区間賞の久保山が、肝属との競り合いを中継所直前で制し首位に浮上。5区で曽於に抜かれて10区までリードを許したが、47秒差を追いかけた最終11区(15.5キロ)の引地が10キロ付近でとらえて、逆転勝利を飾った。
2位曽於は5区(12.3キロ)中野が、今大会2度目となる37分18秒の区間新の快走。終盤に姶良をとらえて首位に立ち、10区まで先頭で踏ん張った。
3位川辺は、全区間で区間7位以内とブレーキがなかった。1区中村が3位と好スタート。4区区間賞の夏越らつなぎ区間や、長丁場を任されたアンカー福吉も好走した。4位は、中盤の追い上げが光った鹿児島が食い込んだ。前半は出入りの激しいレース運びだったが、主力が集まる5区で区間4位と粘った前田伯、7区区間賞の祁答院らが健闘した。
5位伊佐は主力の奮闘で勢いに乗った。3区松木が3人抜きで5位に順位を押し上げ、廣原、原水、内村ら後続も踏ん張った。6位肝属は、中盤以降の落ち込みが響いた。1区福元、2区葛迫が連続区間賞を奪う好発進を切ったが、その勢いを保てなかった。
7、8位には出水、日置が入った。出水は6区銅口、7区松元らが稼いだ貯金が大きかった。日置は4区までの出遅れが響いて8位。後半は7区山下らが踏ん張った。
9位指宿は我慢のレースとなったが、6区上谷が意地を見せた。10位は熊毛。8区鎌田、9区渡瀬がそれぞれ順位を押し上げた。川薩は4区久保の力走も及ばず、11位に終わった。12位大島は中盤の社会人が粘りたかった。
伊佐 逆境越えて地元で一丸
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| 第5中継所、伊佐・廣原光弘(右)が区間3位の好走をみせ、片野田隆紀にたすきを渡す=さつま町求名 |
2日目は日間12位に終わった伊佐が地元入りの3日目、5位に順位をはね上げた。選手たちが逆境や故障に悩まされながら、一丸となってたすきをつないだ結果だった。苦しみながら走った選手の事情をだれよりも知る松元満雄監督は「(就任7年目で)きょうが一番みんなが頑張った5位」と感無量だった。
3区松木は「地元でしっかり走りたい」と力強いストライドで梅のつぼみがふくらむ川内川のほとりを駆け抜け、3つ順位を上げた。東京の大学をやめ昨年、第一工大に入り直した。「迷惑をかけたが、一からの出直しを支えてくれ感謝している」と沿道に駆けつけた両親の前で力走した。
5区廣原は「もっと走りたかった」と反省しながらも、主力が競う区間で3位と役割を果たした。苦しい選手事情で出走者がなかなか決まらなかった6区は片野田が志願して走り、気迫でつないだ。
この日、唯一区間賞を奪った8区原水の走りは圧巻だった。腰痛の悪化に悩みながら、一見軽快な走り。しかし、下り坂では背骨まで痛みが走り、さすがに腰を押さえた。走り終わった後は満足に歩けないほど。それでも「少しでも前に行こうという気持ちだった」と気丈だった。
この日、体調不良で思うような走りができず、自分を責めた選手を「お前のせいじゃない」といたわった松元監督。地元の選手と1年300日はグラウンドで一緒に走り、信頼関係をはぐくんでいる。残るは2日間。選手たちは松元監督に初めてのCクラス優勝をプレゼントしたいと、さらなる奮起を誓っている。
重要区間で2位2回/熊毛8区・鎌田 大輝(鹿児島南高2年)
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| 区間2位の力走で順位を一つ上げた鎌田大輝 |
各チームのエースが出そろった初日1区。12人の走者の中で最年少ながら、終盤まで食らいつき2位の好成績をあげた。自信をつけて挑んだ2回目の出走は、3日目の8区。鹿児島市で一緒に暮らす祖父母が声援を送る中、伊佐のエース原水と3秒差の区間2位と堂々の走りを見せた。
初日とは違い、この日は自分でレースをつくった。スタートからぐんぐん飛ばすと中盤までに2人をかわす。坂道でもスピードが衰えない力強い走りで突き進み、最後に1人を抜いてたすきをつないだ。「この大会ですごく自信がついた」とうれしそうに振り返った。
父親の指導で、小学生のときから長距離を走り、力を培った。9日の県高校新人駅伝1区で区間賞を奪うなど、実績を積んでいる。今大会の活躍ぶりに川原誠監督は「うちの準エースとして力を存分に発揮し、一番貢献している」と評価。長距離に取り組むまじめな姿勢をたたえ、「将来は鹿児島県のトップ選手になってほしい」と期待する。
大会規定で高校2年生以下は2回までの出走。念願の区間1位は来年にお預けとなったが、「もっと力をつけて来年こそは区間賞をとりたい」と意気込んだ。173センチ、53キロ。
鹿児島・前田 博愛(樟南高2年) チーム浮上の足がかり
チーム日間4位の足がかりをつくった見事な走りだった。2区で出走して区間4位。「いい走りができた。力を出し切った」と声を弾ませた。
下りでの快走が際だった。並走を続けた出水の選手を、長い下りの途中で一気にスパートをかけ、引き離した。
学校の駅伝部では主将。「15人の部員を引っ張っていく気持ちで走った」。念願の都大路へ「今年こそは」と闘志を燃やす。
次の出番は3日目と同様起伏のある4日目7区。連走となるが、「オーバーペースにならないように落ち着いて走りたい」と話した。
- ■曽於 奇襲布陣 姶良脅かす
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曽於が奇襲作戦で地元入りの姶良を苦しめた。アンカー勝負で敗れはしたが、日間タイムで32秒差に食い止めた。総合でも2分25秒差の2位につけており、地元入りの4日目へ弾みをつけた。持留光一監督は「惜しかった。だが3日目で姶良をここまで苦しめたのは、ここ最近ない」と選手の健闘をたたえた。
5区、曽於・中野良平(左)が区間新の走りで姶良・厚地翔太をとらえ中継所に飛び込む=さつま町求名
ライバル姶良も恐れる中野をエースが集う3区に入れず、前半長い上り坂が続く5区に配した布陣が奏功した。首位姶良と1分38秒差の4位で走り出すと、一気に前を猛追。終盤の下りを生かした全力疾走並みの勢いで残り1キロで並び、中継所直前までもつれた競り合いを制した。
エースの奮闘に後続もこたえた。6区坂中省が区間賞の力走でさらに1分以上の貯金を稼ぐと8区平川も力強い走りで差を広げた。坂中省は「前でせっかく抜いてくれたから、自分の仕事はつき放すことだと思った」と振り返った。
2年連続で4日目優勝を奪えば、37回大会以来の総合優勝へ望みがつながる。中野は「最後までハラハラ、ドキドキする見どころある駅伝にしたい」と闘志を燃やしていた。




