攻める走り伝え続ける
指 宿 垣内 英人さん(40)
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| タイムトライアルの結果を下吉一宏監督と分析する垣内英人さん(右) |
「県内トップレベルのランナーだっただけに技術面のアドバイスが的確」と下吉一宏監督は評価する。選手時代のピークには10キロを30分台前半で走った実力者。ランナーとしての経歴は華々しい。鹿児島実業高では全国高校駅伝に出場。卒業後も北九州市の化学会社や鹿児島市の城山観光の実業団選手となった。
県下一周駅伝ランナーとしての経験も豊富。城山観光陸上部では鹿児島チームの選手として8回出場し総合優勝も経験。退社後の1999年からは指宿チームの主力として、翌年の41年ぶり総合5位など隆盛期のチームをけん引している。
30代半ば、体力の衰えを感じ始めたころだ。現在の仕事である漁業との両立に悩んだ。故障もかかえ練習不足でタイムは下り坂となり「チームに迷惑がかかる」と競技生活に一区切りをつけた。そんな時、下吉監督からコーチ就任を勧められて、「自分が役に立つなら」と引き受けた。何よりチームへの愛情があったからだ。
「逃げるな、攻めろ」が口癖。トライアルで沿道や伴走車から選手に声を張り上げる。「勝負をかけずに相手のペースで走り、ずるずると引き離された。攻めて負けるならまだしも、後悔したレースが多い」と自らを振り返る。レースの駆け引きに限った話ではない。練習でも同じ。高いモチベーションを保ち、苦しみもがいて攻めてこそ、初めて自分の殻が破れると経験が物語るのだ。
ここ数年、チームは振るわない。それでも「あれだけの声援を受けて走れる。やっぱり、うらやましい。選手こそ花だ」と本音がもれる。対してコーチはレース中、何もできない。できることは選手を最高の状態でスタート地点に立たせることだけだ。
レースでは、どんな結果も背負うのは選手。だからこそ、選手には日ごろ自分が経験で得た技術や知識だけでなく「思い」も伝える。タイムトライアルでは、苦しいのは分かっていても「攻めろ」と言い続ける。「ああしておけばよかったと、レース後に後悔させたくはないんですよ」。



