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08/02/10 本紙掲載
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チーム支える

遅咲き“素人”風起こす

大 島 石川 正俊さん(37)

合同練習で集団を引っ張る石川正俊選手(中央)=奄美市の名瀬運動公園クロスカントリーコース

素潜りで鍛えた厚い胸板。積極的に集団を引っ張る力強い走り。本格的に走り始めてわずか3年。37歳の“素人”が大島チームに風を巻き起こしている。
 名古屋市出身。鹿児島大水産学部を卒業後、パン工場、塾講師など5つの職を転々。通信教育で資格を取り29歳で教員になった異色の経歴の持ち主だ。
 大島養護学校に赴任した4年前までは素潜り以外の運動とは無縁だった。校内の教職員ソフトボール大会で長打を放ち、二塁を回ったところで転倒。「やばいな」。健康のためにランニングを始めた。
 最初は長い距離を走れず、5分走っては歩き、また走って歩くの繰り返し。「長距離に自信がある」と豪語したが、集落の駅伝メンバーからも外れた。負けず嫌いのハートに火がつく。徐々に走る距離が伸びて、今は毎日帰宅後に2時間、週末は3時間。額にライトを固定して足もとを照らしながらハブに注意して走り込む。「練習量はチーム一番。量を減らすよう指示しても2時間は走ってくる」と大島チームの備秀朗監督も認める努力家だ。
 練習量は裏切らない。集落代表、町代表とステップアップし、前回の県下一周駅伝で36歳の遅咲きデビュー。昨年の大島地区駅伝では最長区間で2位以下に30秒以上の差をつけ区間賞を取った。「面白いように結果が出る。どこまで伸びるか、自分の可能性に挑戦したい」。つらくきつい練習を乗り越えることで、悲観的で暗かった性格もプラス思考に変わっていった。
 「1年前は相手じゃなかったのに」。山口県で全国高校駅伝に出場し、九州大学駅伝優勝経験もあるチームメート山内健太郎(33)は急成長を驚く。「でも、同じ教員でしかも年上。負ける訳にはいきませんよ」。記録会や合同練習で仲間が闘争心をむき出すのは、主力選手として認められた証拠。チームに競争意識をもたらした。
 大会直前にふくらはぎを傷め、出場自体が微妙になった。「痛み止めの注射を打ってでも走る。雑草魂でチームや応援してくれた人たちに熱い思いを伝えたい」

おわり
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