ベテラン登場(※所属は平成29年5月時点)

地域を記録する

枕崎支局長 入角里絵子

 「記事いつも読んでますよ」「あなたがニュウカクサンね?」(いえ、いりすみです…)。取材先で知らない方からよく声を掛けられます。支局は読者との距離が、本社と格段に違います。早朝、取材先からの電話にドキッとしながら出ると「記事ありがとう、今朝出てたが」とお礼の言葉。南日本新聞に寄せる読者の信頼と愛着に支えられて、自分たちの作る新聞が成り立っているのだと感じる瞬間です。

 南日本新聞社は本社以外に、鹿児島県内を中心に24の取材拠点があります。それぞれ地域に住んで、市民や学校など大小さまざまな話題を紹介し、行政や議会の動きを追い、事件・事故が発生すれば現場に駆けつけます。記者といえば、ニュースの最前線にいて、華やかなイメージがあるかもしれませんが、日々、警察や役所を回り、地域の話題を掘り起こす地道な努力が求められる仕事です。現在は2総局3支局に女性記者がいます。

 枕崎支局は、県南薩地域の枕崎市と南九州市がエリアです。枕崎は全国有数の港町。和食を支えるかつお節の生産量は日本一で、地元業者らがフランスに工場を建設したことは大きな話題となりました。夏・秋は台風の常襲地帯でもあります。

 南九州市は市町村単位で生産量日本一の茶をはじめ、イモや鶏卵の生産も盛ん。同市知覧にはかつて特攻基地があったことから、スピーチコンテストなどを通じて平和や命の尊さを発信し続けています。

 ほのぼのとした街ネタから、地方の行政や経済、シビアな事件・事故まで、総局支局の魅力は多彩な話題を扱えるところです。半面、うちが取材しなければ埋もれてしまう地域の話題も少なくありません。情報があふれる時代だからこそ、身近な情報を住民目線できめ細かく発信する地方紙、とりわけ総局支局の役割は大きいと感じています。

 自分が暮らす地の一番の応援団長でありたい。地域の「今」を切り取り、記録しながら、そんな思いで日々管内を巡っています。