'05/11/20 本紙掲載
守屋防衛事務次官に聞く
日米両政府は10月末、在日米軍再編の中間報告で、鹿屋市の海上自衛隊鹿屋航空基地へ米軍普天間飛行場(沖縄県)のKC130空中給油機部隊を移駐することに合意した。鹿屋移転計画の狙いや背景について、米国と協議してきた防衛庁の守屋武昌事務次官に聞いた。
(東京支社・三輪住雄)
「冷戦終結後、日米は新しい安全保障環境にどう対応するかが問われた。日本周辺では北朝鮮の弾道ミサイルや核開発、中国の軍事力強化が進む。中国・台湾間の緊張が高まれば日本のシーレーン(海上交通路)に影響が出る。9・11同時テロなど、イスラム原理主義者らによるテロ行為には国際社会が連携して対応する必要も出てきた」 「米国がアジアや中東で進める新たな安保政策で、在日米軍基地がこの地域に一番近く、重要な場所となった。また、日本は単独で地域的な脅威や国際テロに対処できない。米との安保体制を強化することで抑止力を維持し、国民の安全を確保できる。日本のためにも日米同盟は必要で、中心となるのが米軍基地」 −鹿屋移転はどういう経緯で検討されたか。 「戦後60年間、米軍と一緒だった沖縄県民の負担を減らすため、本土への基地機能分散を決めた。普天間飛行場は480ヘクタールと広大で、(1)海兵隊ヘリコプター部隊(2)空中給油機部隊(3)非常時の航空部隊の展開基地−の3つの機能がある。今回の再編で、普天間を175ヘクタールに縮小して移設し、ヘリ部隊だけは沖縄に残した。ほかの空中給油機は鹿屋へ、非常時の航空基地機能は本土の航空自衛隊にお願いした」 −空中給油機は1996年の日米合意で、米軍岩国飛行場(山口県)へ移転するはずだった。 「96年当時は沖縄を中心とした基地見直しで、米軍基地から米軍基地への移転だった。今回は自衛隊基地を含め、本土全域で見直した。岩国には米軍厚木基地(神奈川県)から空母艦載機を移すことになり、空中給油機を置く余裕がなくなった。空中給油機は沖縄の海兵隊ヘリに燃料補給するので、訓練効率の面でもより沖縄に近い鹿屋となった」 −鹿屋基地の施設はどう変わるのか。 「滑走路延長や基地拡張は必要ない。格納庫や整備工場、駐機場、米兵宿舎の建設は現状でやっていける」 −中間報告は「空中給油機の岩国以外の移駐先として、鹿屋基地が優先して検討される」とし、鹿屋以外の候補地があるような表現がある。 「言葉通り、優先的に検討するとしか言えない。日米間の合意だから。鹿屋の地理的な条件はほかの地域に比べてかなり高く、鹿屋を中心に考えている。今後、満たさない条件として何が出てくるか分からないが、今は仮定の議論をする状況にない」 −中間報告には、米軍のC130輸送機やP3哨戒機の一時的な使用も盛り込まれた。 「P3などが訓練や連絡機として来ることはあるが、常駐はしない」 −普天間移設で、予定海域の使用権限を沖縄県知事から国へ移す特別措置法が検討されている。鹿屋で新たな法整備はあるのか。 「用地買収は不要なので、該当しない」 −地元では鹿屋移転に反対の声がある。 「日本防衛やアジアの安定のために米軍基地は必要。だれかが負担しなければならず、防衛施設や基地の役割を理解してほしい。地元の人が耐えられないような負担をお願いするつもりはない」 |











