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'05/12/30 本紙掲載 
特集 米軍移転計画
「政治空白」地元に懸念
鹿屋市長1日合併で失職、新首長は1カ月後/国「日米の協議は加速」/市「反対姿勢変わらず」

 在日米軍再編に絡み、普天間飛行場(沖縄県)空中給油機部隊の海上自衛隊鹿屋航空基地移転計画に揺れる鹿屋市。来月1日、周辺3町との合併に伴い、計画撤回の旗振り役を務めてきた山下栄市長は失職する。3月の最終報告に向け詰めの作業を急ぐ政府とどう渡り合うのか。新市長誕生まで約1カ月の「政治空白」に、地元は頭を悩ませている。
(鹿屋支社・山下悟)
 新市長選投票は2月5日の予定。市長職務執行者は有留忠男輝北町長が務める。山下市長は既に立候補を表明した。ほかにも出馬の動きがあり、選挙戦突入の公算だ。

■ 不 満

 政府は、移転に備えた鹿屋基地の施設現況調査費1500万円を盛り込んだ補正予算案を了承。関係自治体への特別交付金給付など関連法案の調整にも入り、地ならしは着々と進む。複数の鹿屋市幹部は「包囲網は狭まってきた」と警戒。「(地元不在の)こんなやり方で理解を得られるわけがない」と不満を隠さない。
鹿屋市が提出した質問書の回答を携え、山下栄市長(右)と会談する福岡防衛施設局幹部=27日、鹿屋市役所
 鹿屋市は政府に、トップ不在の政治空白を考慮するよう訴えてきた。事後通告のような形で一方的に計画を打診してきた政府に対する予防線の意味合いも含んでいた。
 そこへ、調査費計上や関連法案整備の動き。「重大な政策決定や政治判断を迫られた場合、どうすればいいのか」(市幹部)という危機感は現実味を帯びてきた。
 総務省の合併マニュアルによると、「職務執行者はあくまでも暫定に過ぎず、必要最小限度の職務のみと考えるべき」とある。有留町長も「移転をめぐる対応は職務権限をはるかに超えている」と認める。
 27日、山下市長と会談した福岡防衛施設局の清水繁局長は「疑問点の説明など代行の人(職務執行者)とできる範囲でやりたい」と述べ、「3月に最終報告をまとめるため、日米間の協議を加速させる」と強気の姿勢を崩さなかった。

■ 攻 防

 計画に関し、市が国に出していた質問書の回答が届いたのは同日の会談の席だった。市が設けた期限(11月18日)からほぼ1カ月半遅れ。しかも、移転に伴う施設整備の見通しや基地と部隊運営の関係など、市が求めた具体的内容には触れずじまい。
 山下市長は「失職直前に回答してきた上、知りたい肝心な部分を明確にしないとは何事か」と怒りをあらわにする。
 市は回答内容を市民に広報した後、意見交換会や討論会を開き意見集約する予定だが、回答遅れの影響は必至だ。
 寿2丁目町内会は町内会報を通じて反対署名を募ってきた。上山洋二会長(76)は「市任せでなく、市民も意思表示しようと署名を思い立った」と説明する。既に8割の約230世帯から賛同を得たといい、「移転反対住民にとって山下市長の不在は痛手」と話す。
 鹿屋市の川井田浩二企画財政部長は「住民の安全、安心を守る立場から計画反対のスタンスは変わらない」と強調。年明けには国と県に出向き、移転反対を直接要請する。周辺自治体との連携も強め、緊急反対決議などで対抗する方針だ。

 
 
 
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