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【乗船レポート】フェリーで奄美群島へ行ってみよう

author: 奄美なひととき編集部(更新日:2013年10月10日)

2013年2月の奄美なひとときでお届けしたコラム「今、注目は奄美群島!~アンケート結果から"熱い"奄美がみえてきた~」。アンケートのひとつに『奄美へは飛行機で?フェリーで?』というものがありました。結果は、フェリーが、編集部が予想していた以上に支持・利用されているという興味深いものとなりました。
 今回は、奄美群島への足として隠れた人気を誇るフェリーに、実際に乗船してみたレポートをお届けしたいと思います。

船上の夕刻は圧倒的な旅情

9月初旬の夕方6時、鹿児島新港-利用させてもらったのは、マルエーフェリーが運航する「フェリー波之上」。奄美群島を経由し、鹿児島と沖縄をつなぐ。今回は、奄美大島の名瀬港までの乗船となった。

フェリー待合室

フェリー待合室で乗船を待つたくさんの人々

「フェリー波之上」は、全長145m・8072トンの船体に、700名を超える旅客を運ぶことができる2012年9月就航の新型客船だ。もっと大きな船もたくさんあるのだろうが、普段、桜島フェリー(600~1330トン)くらいしか乗らない私には、ずいぶんと大きく力強く感じられる。

まずはデッキに出て、出港を見届ける。巨体が港を少しずつ離れ、徐々に加速していく。体全体で潮風を感じながら、なぜか「あばよ」と心でつぶやく。すっかりマドロス(船員)な気分。おだやかな錦江湾、過ぎていく鹿児島市内の町並み、そして沈みゆく夕日。なんという旅情。船旅、恐るべし!(右上:船上から風景を収めたFlash動画)

※Flashファイルをご覧になるにはAdobe Flash Player(無償)が必要です。お持ちでない方は、こちらからダウンロードいただけます。




カツカレー

うどん(400円)や沖縄そば(500円)などの麺から、牛丼・カルビ丼(ともに500円)といった丼物、トンカツ定食・エビフライ定食(ともに900円)などの定食までメニューも豊富

充実の設備とゆとりの空間

山のむこうに夕日が隠れたのを見届け、船内の探検へ向かう。何やらいい匂いがする。匂いにつられて向かった先には、船内レストラン。メニューを一通り眺めるが、どれもおいしそうなので、厨房のスタッフさんにおすすめを聞く。いかにもガッツリ食べそうな私の顔を見てすすめてくれたのは「カツカレー」(700円)だった。

レストランには自動販売機もあり、アルコールも購入できる。ビールに発泡酒、奄美を感じさせるワンカップサイズの黒糖焼酎も。レストランを見渡すと、多くの人がアルコール片手に食事を楽しんでいる。乗船レポートの仕事中だが、やはりこの雰囲気は体験してお伝えせねばと、迷わずビールを購入。さっぱりとしたのどごしのビール片手に、ボリューム満点のカツカレー。賑やかなレストランの雰囲気を楽しみつつ、おいしくいただいた。

満腹&ほろ酔いと幸せな気分で、続けて船内を探検する。全体的に感じるのは、ゆったりとした空間。通路も思ったより広く、人とすれ違っても気にならない。エントランスホールとロビーは吹き抜けの2フロア構造で、とても開放的だ。

案内所

船内スタッフの丁寧な対応が旅を楽しくさせてくれる

化粧室も清潔で、どの客室からも利用しやすそうな位置にあり、体の不自由な人には、スペースにゆとりのある多目的化粧室の備えもある。船内や旅先の情報はエントランスホールの案内所で丁寧に教えてもらえ、貴重品ボックスや授乳室など、快適な旅をサポートしてくれる設備も充実。

ここで私は、潮風にさらされた体とアルコールで締まりの無くなってきた頭をリセットすべく、シャワー室へと向かう。温かい湯が勢い良く出て、気分も爽快。船内は空調も快適に保たれているので、湯上がりの汗もサッと引いて心地よい。




レストラン

営業終了後のレストランやロビーでは、たくさんの人が、テレビを見たり、談笑したりと、リラックスした時間を過ごしていた。

それぞれに過ごすくつろぎの時間

営業終了後はくつろぎのスペースとして開放されるレストランや、ロビーに設置されたテーブル&椅子では、多くの人が飲み物片手に談笑している。親子連れや大学のサークル旅行と思える一団、仕事仲間、女性同士の二人旅、外国人など、組み合わせもさまざまだ。

ビールを飲みながら語っている二人組の若い男性に声をかける。どことなく譲り合うように語る様子。なんと、それぞれ別の一人旅で、乗船時に友だちになったのだという。共に20代の大学生で、ひとりは北海道からバイクで日本縦断、もうひとりは広島県からママチャリで南下してきたらしい。すごい。二人とも「こういう出会いはなかなかないです」と笑い、「船旅だからこそでしょうね」と口を揃えた。

「奄美市への帰りの便です」という小学生の女の子を連れた30代の女性は、子供の通院のために月に一度フェリーを使っているのだそう。奄美大島からの利用客としては、「出港・入港の時間が便利な点」そして「価格的にも利用しやすい点」を大きなメリットとして挙げてくれた。女の子に船旅について聞くと「楽しい」とニッコリ。

鹿児島県外の大学生一団は、鹿児島市内に一泊して観光した後、フェリーで奄美大島へ渡り、加計呂麻島を目指す行程を話してくれた。名瀬港には朝5時くらいの到着となるが、どうするつもりなのかと聞くと「到着便に合わせて、加計呂麻島のある瀬戸内町行きのバスがあるんですよ」とのこと。午前中には加計呂麻の海に飛び込むつもりなのだとか。ロスが無く、実に効率的。何より、うらやましい。

時間的なゆとりとくつろぎの空間がなせる業なのか、たくさんの人が遅くまでのんびりと語らいあっていた。私の片手の取材ノートも、いつのまにか、黒糖焼酎ワンカップへと変わり、楽しい夜は更けていく。




大島海峡を望む

仕事組の私も瀬戸内町を訪問。あの大学生たちも、この美しい海、大自然を満喫したことだろう。

朝一到着で滞在時間をたっぷりと

翌朝4時。船内に、奄美大島名瀬港への入港予定のアナウンスが流れる。身支度をすませ、デッキに出てみる。錦江湾とはまた違う、外洋の潮風が気持ち良い。空はまだ暗かったが、もう少し日の出の早い季節なら、暁の空と海を楽しむこともできるのだろう。

予定通り5時に入港。たくさんの乗客が下船し、たくさんの積荷も下される。最後の楽園とも称される加計呂麻島を目指すといったあの大学生の一団は、足取りも軽やかにバスへ向かって歩いていく。一方、私は、これからホテルへアーリーチェックインし、朝一番からアポイント先へと向かうことになる。「ロスが無くすばらしい。さぁ、存分に働け」と上司が喜ぶ顔が目に浮かぶ。次は、絶対にバカンスで来よう。




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奄美が大好き!なわたしが、旬の奄美をご紹介

指宿俊彦さんあまみんちゅ[no.17]
指宿俊彦さん(セントラル楽器 社長)

元ちとせや中孝介をはじめ、多くの歌い手やアーティストを輩出する奄美。その奄美の音楽シーンを語るとき忘れてはならないのが、指宿俊彦さんが三代目を務めるセントラル楽器だ。趣味が高じて奄美群島各地の島唄の録音収集を始めた、創業者で俊彦さんの祖父・良彦さんから3世代、現在では1,200曲を超える奄美の楽曲を取り扱っている。

足かけ60年、媒体もカセットテープからレコード、CDと変遷を遂げてきた中、2012年4月からは、インターネットでのダウンロード配信(iTunesStore)も開始した。「アメリカやドイツなど世界中から購入があり、島唄や奄美の楽曲を島外へ発信していくツールとして期待しています」と語る。ワイド節の生みの親・坪山豊や高校時代の元ちとせの作品なども配信されているが「いわゆるマニア受けするものが売れたりして面白いですね」と笑う。

セントラル楽器では、島唄や新民謡というこれまでの奄美の音楽ジャンルに加えて、奄美の歌い手&作曲家&作詞家の手で作られる島歌謡曲を『奄美歌謡』と呼んでいる。「大きな目的としては“奄美”を広く知ってもらうためのブランド化なんです」と奄美活性化への思いを語る。奄美紅白歌合戦2年末に向けては、今年で4回目を迎える『奄美紅白歌合戦』の準備に走り回る。昨年はNHKの番組で全国放送され驚いたとともに「なにより奄美が全国に紹介されたことがうれしかったです」。(2013年10月24日)

奄美紅白歌合戦1

DATA

第4回奄美紅白歌合戦

  • [期日]12月21日(土曜日)
  • [時間]開場17:00 開演18:00
  • [会場]奄美文化センター
  • [料金(税込)]指定席(1階):1,800円(前売1,500円)、自由席(2階):1,300円(前売1,000円)
  • [出場予定]一般投票で選ばれた白組10名、紅組10名。今年はよさこいステージショーも。
  • [チケット・問合せ]セントラル楽器 0997-52-0530
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