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伝えたい島がここにある

author: 柿田 洋介(更新日:2015年12月10日)

絶景スポット「夕日の丘」

絶景スポット「夕日の丘」からの景色。ここから「実久ブルー」と呼ばれる実久の海を眺める事ができる

知らなかったこの島の魅力

「なんだこの島は!?」そう思わず言ってしまう島がある。

私は奄美大島南部の瀬戸内町で生まれ育った。家の前には大島海峡が広がっていて、その先にいつも見ていた島「加計呂麻島(かけろまじま)」のことだ。

加計呂麻島は瀬戸内町古仁屋(こにや)の港からフェリーで20~25分とそこまで遠くない距離にあるが、地元に住んでいてもなかなか行くことはない。子どもの頃は学校の行事や、家族で行ったことがあったが、あまり印象に残っていることはなかった。

集落の木陰や海辺に一つはある憩いの場には集落のおじちゃんやおばちゃんが自然と集まってくる(上)、人の顔に似てるという理由で飾られているサンゴ。島民の遊び心を見つけるのも加計呂麻島観光の楽しさである(下)

大人になり島を出て働いていたが、数年前奄美へUターンすることになった。奄美へ帰ってきてしばらく経ったある時、加計呂麻島での仕事の話があった。島内の全集落の写真を撮って回るという内容だ。面白そうだ。「是非やります!」。即答だった。

今まで1人で加計呂麻島に行ったことはなかった。これが初めての1人での加計呂麻島となった。

フェリーに揺られ島に到着するとまず驚いた。「なんだ!?なんか心地がいい」。不思議な感覚だった。きっと、行き慣れていない土地に気持ちが浮かれているんだな! この時はそう思った。

集落を散策していると島民のおばちゃんに出会った。「こんにちわ」と言うと、笑顔で「こんにちわ」と言ってくれた。僕はびっくりした。その笑顔はまるで「あんた元気ね?」そう言われているかのような笑顔だったのだ。

あまりの笑顔に「もしかしたら誰かと勘違いしてるんじゃないかな…」。そう思ってしまうぐらいだった。しばらく歩くと別の方に会った。また「こんにちわ」と言うと「こんにちわ」と返してくれる、またすごい笑顔だ。これで分かった。「さっきの人は勘違いじゃなかったんだ!」。そう気付いた時、なんだか心の底から嬉しかった。島民の笑顔がこの島の素晴らしさを物語っていた。

「なんだこの島は!?」僕は一瞬にしてこの島のことが大好きになった。

島自体がパワースポット

好きなビーチを見つけて、そこでずっとのんびりするのもいいと思います

好きなビーチを見つけて、そこでずっとのんびりするのもいいと思います

加計呂麻島の魅力は何か? と聞かれれば、綺麗なビーチや大自然を感じる巨木、文化財や戦跡などいろいろな観光スポットがあるが、私が思う一番の魅力はその「空気感」である。

ガジュマルの木陰

ガジュマルの木陰に寝っころがる、木漏れ日が心地いい

どこか異国の島にきた気分になる加計呂麻島には不思議な空気感がある。それはまるで優しく包み込まれるような感覚。この島にいると自然と心がリラックスしていくのが分かる。初めて1人で加計呂麻島に来たときに感じた「なんか心地がいい」というあの感覚である。時間の流れがゆっくりに感じるとよく言われるが、それも同じような感覚だと思う。

この島でのオススメな過ごし方は、ビーチでぼーーーっとする事(笑)。 私はこれが一番好きだ。

海や山の音を聞きながら、匂いや肌で加計呂麻島の空気感を感じてぼーーっとする。最高に幸せを感じる瞬間だと感じる。考えなくても自然と感じる事ができる、この不思議なパワーに魅了される人は多い。

きっとこの島は、島自体がパワースポットなんだ。そう思った。




武名のガジュマル

「武名のガジュマル」圧倒的な迫力に加計呂麻島の大自然を感じることができる(上)、バイクでの観光がオススメです(下)

加計呂麻島観光のススメ

加計呂麻島は小さな島だと思われがちですが、実は結構大きな島です。

起伏の激しい道が続いており、平坦な道はほとんど集落内だけなので、自転車や徒歩移動での観光はオススメしません。島に入る前にレンタカーを借りフェリーで航走するか、加計呂麻島でレンタカーを借りるのがいいでしょう。

タクシーは無く、路線バスが走ってはいますが、フェリーの運航時間に合わせ運行しているので便が少なく、観光でいろんなところを巡りたいという方の利用はなかなか難しいと思います。

個人的に一番オススメしたいのは、バイクでの観光です。バイクは車に比べてフェリー代が安く、道が狭い加計呂麻島では移動が容易です。なにより、加計呂麻島の空気を肌で感じながら走ることができ、最高に気持ちいいのです。

また、港が二つあるので要注意。まずは行きたい場所をある程度絞って、その場所に合わせてスケジュールを立てましょう。そうすれば自然とどちらの港に行くのがいいのか決まってきます。

海辺にいると聞こえてくる波の音、風の音、鳥の声。きらきらと輝く水面に思わず見とれてしまう

加計呂麻島にはスーパーもコンビニもありません。小さな商店がいくつかあるだけです。昼食を食べるお店はありますが、急な休みだったり、予約しないといけないお店もありますので、事前に連絡して確認することをおすすめします。

色々と不便な部分はありますが、他の島にはない魅力をこの島は持っています。

離島・奄美大島のさらに離島、パワースポットな島「加計呂麻島」を一度、体感してみてはいかがでしょうか。






柿田 洋介(かきた・ようすけ)著者紹介

1989年瀬戸内町生まれ。高校卒業後に島を出て専門学校でデザインを学びデザイン職に就く。2011年にUターン。2012年「カキタデザイン」設立。デザインを通し奄美を発信しながら、2015年からはNPO法人瀬戸内町観光物産協会に勤務。大好きな奄美大島の魅力を伝えるため活動中。

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奄美が大好き!なわたしが、旬の奄美をご紹介

あまみんちゅあまみんちゅ[no.43]
元井 雄太郎さん(大島地区農業青年クラブ会長・奄美市住用町)

生まれ育った奄美市住用町で果樹農家になって6年になる。地元大島高校を卒業後、大分大学に進学した後Uターン。家業を継いで、タンカン、ポンカンをはじめ、新たな品種にも取り組んでいる。

奄美といえば海と砂浜のイメージが強いが、住用町にはきれいな川があちこちに流れており、幼い頃は川遊びやマングローブでガサム(カニ)捕りをして遊んでいたという。今の元井さんにとっても、奄美は生きる事を楽しむ場所。顧問となった住用町連合青年団での若手の仲間との活動もその一つ。成人式、地域の祭りなどへの参加、バーベキューや飲み会、キャンプなどおおいに盛り上がる。

あまみんちゅサブ

そんな中でお薦めは、住用町城の金久田川流域の沢登り。住用の新たな観光資源を探そうと、先月、青年団で川の散策を企画。上流に向かってひたすら歩いて冒険すると、美しい渓流と珍しい動植物が生み出す素晴らしい情景を楽しめる「シャワークライミング」ができるという。「とにかく歩きます、往復4時間程(笑)。冬だとハブなどの毒蛇の動きも鈍るのでオススメです!ウェットスーツなら全く寒くないかも…。住用にずっと住んでいる青年団員ですら踏み入れたことのない絶景に興奮しっぱなしでした」

5月から大島地区の農業青年クラブ会長を務める。今年は、収穫準備をしていた矢先、ミカンコミバエの侵入により移動規制がかかり、出荷できなくなった。不安を抱えながら日々の農作業に従事しているが、県に提案書を出し、駆除のためのテックス板の作成や設置、トラップ調査などに積極的に協力していこうとクラブ員全員で結束を深めている。「まずは根絶することが目標。ペンションでの家族交流会や、クラブ員全員で圃場(ほじょう)を借りてさまざまな作物の栽培に挑戦したり、メンバー同士で飲み明かしたりと、いつもの楽しい活動に早く戻れるよう、頑張っていきたい」と前を向く。

DATA

「やーまん酒場 串魂」

  •  1人でもフラッと気軽に立ち寄れるイイ雰囲気の落ち着く居酒屋。「自分的には、この世で1番うまいレバー串がオススメです。1度食べたらもう…」と元井さん。

    [店舗情報]
    <住所> 奄美市名瀬金久町3-10
    <電話> 0997-69-3618
    <営業時間> 11:30~翌2:00
    ※月曜のみ18:00から営業。定休無し
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