| お答えします |
鶴田 和弘(つるた・かずひろ)さん
県水産振興課(しんこうか)漁業調整(ぎょぎょうちょうせい)係 |
−知事が範囲決め免許交付−
鹿児島県は魚の養殖が盛んで、全国2位の魚類養殖産地です。なかでも、カンパチは全国一、ブリは2位の生産量を誇(ほこ)ります。健斗君が見た鹿児島湾(わん)=錦江湾=は全国最大のカンパチ養殖地です。県内各地の海にあるいけすは全部で9000個にもなるんですよ。いけすの標準(ひょうじゅん)的な大きさは縦(たて)8メートル、横8メートル、深さ8メートル。鋼管(こうかん)で作られた枠に発泡(はっぽう)スチロールなどの浮きをつけ、湾内を動き回らないように、海底からのロープにつなげて固定しています。
養殖には魚だけでなく、ワカメやノリなどの海藻(かいそう)、アワビなどの貝類があります。また、魚の養殖も、自然の海や湖にいけすを浮かべる方法だけでなく、エビやヒラメ、ウナギのように陸上に人工池を作って養殖する方法もあります。
では、なぜ魚の養殖が必要なのでしょうか。昔から行われている、漁船を海に出して魚をとる方法は、台風などの天候に左右されがちです。そこで、みんなの食卓(しょくたく)に毎日、新鮮な魚を安定して届けるために、波が穏(おだ)やかな湾内や入り江を使って魚を養殖するんです。鹿児島では1959(昭和34)年に垂水(たるみず)市牛根地区でブリの養殖が始まり、1990年ごろからはカンパチの養殖が盛んになってきました。おかげで、それまでは値段が高くてなかなか口にすることができなかった魚が安く、ふんだんに食卓にのぼるようになりました。
さて「養殖はだれがどこでやってもいいの?」という質問ですね。ウナギなど陸上養殖の場合は、自分の土地や借地で自由に養殖することができます。しかし、海は国の財産で、国民みんなのものです。健斗君たちが海水浴で遊んだり、船が走ったりする場所なので、陸上の土地のように売ったり買ったりすることはできませんし、勝手にいけすを浮かべて養殖することも許されていません。
そこで、フェリーの運航(うんこう)などに影響が少なく、養殖に適(てき)した所を、県知事が特別に「養殖を行ってよい場所」に定めて、範囲を限って漁業協同組合(漁協)などに免許を与えているのです。各地の漁協は養殖のルールを定めて組合員に養殖させています。
免許が与えられているといっても、やはり海はみんなのものですから、病気の発生や環境汚染(かんきょうおせん)には十分気をつけなければなりません。そこで、牛や豚(ぶた)、鶏(にわとり)と同様に、病気を未然に防ぐために魚にもワクチンを接種しています。また、えさの栄養分が海に溶けだして赤潮などを起こさないように、冷凍魚と粉末のえさを混ぜて粒状にして与えるなど、環境にやさしい養殖方法を日々考えています。おかげで病気による被害や環境汚染も随分少なくなりました。
安心、安全な養殖を行っている漁業者や漁協に対しては、県が「かごしまのさかな」というブランドに認定しています。皆さんが行くお店で、このシールが張られたブリやカンパチを見かけたら、ぜひ食べてみてくださいね。
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