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2004/12/04 本紙掲載

台風と台風がぶつかると、どうなるの?


中山小5年(鹿児島市) 桑島 覧子(くわじま・らんこ)さん

 今年は台風が来る回数がとても多かったです。そこで思ったのですが、台風と台風がぶつかるとどうなるのですか?

お答えします 川野 茂(かわの・しげる)さん
鹿児島地方気象台観測予報課予報官

−お互いの周りを回る−

 台風と台風がぶつかるとどうなるのか。その質問に答える前に、まず「台風」はどのようにして生まれて、どんな性質をもっているのかを説明しましょう。
 赤道付近の暖かい海では、海水がどんどん蒸発(じょうはつ)して、たくさんの雲が作られます。これらの雲が集まって、まとまった大きな雲に発達することがあります。この大きな雲が次第に左回転するようになり、まわりから送り込まれた水蒸気は、上空に運ばれます。
 水蒸気は上空に運ばれるときに気体から液体(水)に変わりますが、そのときに熱を出します。この熱によって水蒸気を上空に運ぶ力が強くなり、さらにたくさんの水蒸気を含んだ空気を吸い込んで、どんどん発達していきます。このようにして発達する低気圧を「熱帯低気圧」といいます。これがさらに発達して最大風速が17メートル以上になったものを「台風」というのです。
 台風の中をのぞいてみましょう。台風の風は地上付近では、反時計回りに強い風が吹いています。台風の中心から数十−100キロメートルぐらいの所で風が最も強く、この付近では台風を取り巻く発達した雨雲があって激しい雨が降ります。中心のごく近い所を「眼」と言って、風がほとんど吹かず青空が見えることもあります。
 それではいよいよ「台風と台風がぶつかると、どうなるのか」です。実は結果を一言で言ってしまうと、台風どうしが直接ぶつかることはありません。台風と台風の距離(きょり)が約1500キロメートルまで近づくと、お互いがお互いの周りを回るようになります。強い台風と弱い台風が接近するときは、お互い左に回転しながら接近し、弱い台風は強い台風の方の渦(うず)の中に取り込まれて、おとろえていくことがあります。あえていえばこのような状態が“ぶつかる”という表現に近いかもしれませんね。
 台風の発生数は普通だと年間でおよそ27個です。今年は11月までに27個の台風が発生しています。台風の上陸数は年間およそ3個ですが、今年はこれまでで最多の10個が日本列島に上陸して、九州には3個(16・18・21号)が上陸しました。
 日本周辺の海面水温が平年よりも高かったために、台風の勢力が強いまま北上し被害が大きくなりました。鹿児島県に上陸した台風16号では、枕崎で歴代2位の最大瞬間風速58.1メートルを記録しました。また台風23号は四国に上陸したあと、本州を縦断して関東の沖に進みました。この台風で多くの県で暴風や大雨が降り、川があふれたり、土砂がくずれたりしてたくさんの人が亡くなりました。
 台風は地球の自転のえいきょうで自分自身でも北へ進む力をもっています。しかしこの力は弱くほとんど上空の風に流されます。初め東風で西へ進み、その後、太平洋高気圧(たいへいようこうきあつ)のふちを吹く風に沿って北上し、偏西風(へんせいふう)に流されて北東へ進むことが多くなります。
 今年は夏を通じてフィリピンの東海上では、海水温が高く、雲が発達しやすくなって、日本の南海上で台風が発生しました。また太平洋高気圧が平年に比べ日本に近くなっていたため、台風が太平洋高気圧のふちを回って日本付近へ接近・上陸したのです。



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