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2005/02/26 本紙掲載

雨風の強いとき、虫はどうしているの?

明和小1年(鹿児島市) 江口 揮房(えぐち・きぼう)くん

 ぼくは、虫(むし)がだいすきです。雨(あめ)がふると、ちょうちょの羽(はね)がぬれちゃうとか、アリの巣(す)が水(みず)びたしになっちゃうとか、しんぱいでたまりません。風(かぜ)がつよかったり、はげしい雨がふったりすると、虫たちは、どこでどうすごすのか、おしえてください。

お答えします 福田 晴夫(ふくだ・はるお)さん
鹿児島昆虫同好会会長

−ひふが防水 ぬれても平気−

 江口くんはほんとに虫がすきなんだ。部屋(へや)でかっている虫でなく、外(そと)で生(い)きている虫たちをちゃんと見ているのに感心(かんしん)しました。なにしろ虫にとっては、雨つぶだってすごくでっかい水玉(みずたま)になるだろうし、サクラの花(はな)をちらすような風でも、吹(ふ)きとばされそうになるだろう。でも、ちゃんと生きているところがすごい。
 春(はる)になってチョウが出てきたら、雨ふりにかさをさして観察(かんさつ)してみようよ。モンシロチョウはキャベツの葉(は)のうらに羽をたたんでぶら下がるように止(と)まっているけど、ちっともぬれていない。そっとゆびでつまむと、羽のこな(りんぷん)が手にくっつく。くわしくは顕微鏡(けんびきょう)で見(み)ないとわからないけど、チョウの羽や体(からだ)は、りんぷんが屋根(やね)がわらのように重(かさ)なりあっておおっているんだ。そして、じつはりんぷんがはげ落(お)ちても、ひふは防水(ぼうすい)がきいているから、ずぶぬれにはならない。
 ついでに、葉っぱの上の青虫(あおむし)もごらんよ。これは小さな毛(け)がいっぱい生(は)えていて、水がはだに触(ふ)れないようになっているだろう。ただし、卵(たまご)からかえったばかりの小さな幼虫(ようちゅう)は、おぼれたり、雨に打(う)たれたりして、死(し)んでしまうのがかなりいる。
 背伸(せの)びして水から頭(あたま)を出せばよいのに、と思(おも)うだろうが、虫は口では呼吸(こきゅう)をせずに、体の横(よこ)にある気門(きもん)という小さなあなから空気(くうき)が出入りしているんだ。だから体をぬらさないことが大事(だいじ)になる。
 おや、雨が少しこぶりになったら、モンシロチョウが飛(と)びはじめたな。広(ひろ)い羽に雨つぶがあたっても少しくらいはへいきだ。雨降りにチョウが飛ばないのは、うす暗(ぐら)くなったり、気温(きおん)が低(ひく)くなって体温(たいおん)が下がったせいでもあるはずだが−。でも雨の中を飛び回(まわ)っているということは、そう、気温が高くて、体温も下がっていないからだろう。
 りんぷんや毛のないクワガタムシやテントウムシはじょうぶなひふをもっているからへいきなもんだ。呼吸をする気門はちゃんと羽の下にかくされていて、ぬれることはない。
 でも、アリの巣は心配(しんぱい)だね。大雨だったら巣ごと流(なが)されるだろう。アリの体はカブトムシほどじょうぶじゃないが、ちゃんと防水になっていて、小さな毛を生やしている種類(しゅるい)もいるんだが。
 それでも巣の上に水たまりができたらたいへんだ。巣あなの中でがんばってるはずだけど、死んじゃうのがいるだろうな。これはぼくも知らないから、鹿児島大学(かごしまだいがく)のアリの専門家(せんもんか)、山根正気先生におたずねしたら、なんと、先生もごぞんじないそうだ。そんなことしらべた人はいないかもしれないと! やったね。夏休(なつやす)みにしらべてごらんよ。
 台風(たいふう)はもっと心配だが、虫たちはしっかり生きている。避難(ひなん)してやりすごすのが多(おお)いけど、ちゃっかり風に乗って大旅行(だいりょこう)をするチョウもいる。台風のあとに鹿児島(かごしま)でもよく見つかる迷蝶(めいちょう)たちがそうだ。春一番のような南風(みなみかぜ)もこれからつゆにかけて、たくさんの虫たちを運(はこ)んでくる。楽しみだね。



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