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2005/03/25 本紙掲載

海水が満ちたり引いたりするのはなぜ?

紫原小5年(鹿児島市) 大山 亜由美(おおやま・あゆみ)さん

 野間池にビナ取りに行ったとき、午前中は満ちていた海水が昼ごろにはずーっと向こうへ引いていって、今まで見えなかった岩や石がごろごろ出てきました。海水はなぜ、満ちたり引いたりするのですか?

お答えします 地福 淳一(ぢふく・じゅんいち)さん
鹿児島地方気象台防災指導係長

−地球と月、太陽間に引力−

 釣りや潮干狩(しおひが)りに行って、海辺に長くいると、時間がたつにつれ、海面の高さが変わっていくのが観察できます。海面の上下を満ち、引きといい、海面が一番上がったときを「満潮(まんちょう)」、一番下がったときを「干潮(かんちょう)」といいます。
 海面の満ち引きは、今から約300年前にイギリスのニュートンが発見した「万有引力(ばんゆういんりょく)」によって引き起こされています。万有引力というのは、(1)身の回りのすべての物と物との間には、引っ張り合う力が働いている(2)物と物との間が近ければ近いほど、また物の重さが重ければ重いほど、引っ張り合う力が大きい−という決まり事です。
 地球と月も引っ張り合っていて、月が正面に来た所では、その力が一番強くなり、海水が引き寄せられて満潮となります。ということは、この時、月から最も遠い地球の反対側になる所が干潮になりそうですが、実は満潮になるのです。これは地球と月が引っ張り合いをしながらグルグル回っているせいで、反対側にも海水を上向き(地球の外側)に引っ張る力が加わっているからなのです。
 例えば、亜由美さんが、お父さんと手をつないで回転ブランコをしているときに、亜由美さんの足が外側に引っ張られる感じがするのと同じことです。地球は1日に1回転しますから、月が正面にあるときと、その反対側にあるときの2回満潮になり、その中間のときに干潮になります。
 この万有引力は月だけではなく、太陽や火星、金星など、ほかの星との間にも働いていますが、一番地球に近い月と、ケタ違いに重たい太陽との間に働く力が飛び抜けて大きいので、海の満ち引きのほとんどが月と太陽と地球の位置関係で決まります。
 ですから、月と太陽と地球が一直線に並ぶ「満月」や「新月」のときは力が合わさっていつもより満ち引きが大きくなります。逆に、地球から見て月と太陽が直角の位置にあるときは力が弱められて満ち引きが小さくなります。このように、満ち引きが大きくなるときが「大潮(おおしお)」、小さくなるときが「小潮(こしお)」と呼ばれています。
 海水が引いたときに遠くまで行けるからといって、岸から遠くの方で貝掘りに夢中になっていると、周りを水に取り囲まれてから初めて海水が満ちてきたことに気付いて、帰るときにびしょぬれになることもあります。気をつけてくださいね。
 自然現象(しぜんげんしょう)の満ち引きによって現れる名所もあります。指宿の知林ケ島は、ふだんは海水が満ちていて、砂浜から歩いて渡ることはできませんが、春から夏の大潮のとき、干潮時間に海水が引くと、歩いて渡れる砂州が現れます。しかし、今年は台風の影響で砂州が十分に戻っていないようです。海で遊ぶときは潮見表などで海の満ち引き時間を確認しましょう。
気象台では毎年、春から夏にかけて「潮干狩り情報」として、九州各地の干潮時間をホームページ(http://www.fukuoka-jma.go.jp/kagoshima/kago1.html)で案内しています。参考にしてください。



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