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2005/04/23 本紙掲載

虫が光に集まってくるのはなぜ?

鶴丸小6年(東市来町) 塩屋 友基(しおや・ともき)くん

 ぼくは、よく夜にまどの外を見ることがありますが、ガなどの虫がまどにくっついていることがあります。街灯(がいとう)のまわりにも、虫が飛んでいるのを見たこともあります。そこで思ったのですが、なぜ虫は光に集まってくるのですか?

お答えします 福田 輝彦(ふくだ・てるひこ)さん
日本蛾(が)類学会会員・鹿児島昆虫同好会会員

−放射光で方向感覚失う−

 夜に電灯の光に集まって来る虫には、ガをはじめとして、カブトムシやクワガタムシ、コガネムシなど多くの種類(しゅるい)があります。虫が光に集まることは、ほとんどの人が知っていると思います。でも友基君は、見ただけで終わらずに、「なぜ集まるのかな」と考えたのはえらいですね。
 生き物が光の方に向かって進む性質を「走光性(そうこうせい)」といいます。電灯に集まる虫にもこの性質があるのですが、なぜこのような走光性が起こるのか残念ながら今でもまだはっきりとは分かっていません。
でもおそらくこんなことではないかな、という考え方はありますので、これからそのお話をしましょう。
 まず、何のために電灯の光に集まるのか。
 電灯に集まる虫をよく観察(かんさつ)してみると、電灯のまわりをぐるぐる飛び回ってぶつかったり、近くに止まって一晩中(ひとばんじゅう)じっとしていたり、ときにはあお向けにひっくり返って苦しそうにバタバタしたりしています。それどころか、ろうそくやたき火の光だと、飛び込んで焼け死んでしまうことさえあるのです。たとえば光で体を温めるとか、明るさを利用して何かを探しているかというと、そのようなことは全くありません。虫にとっていいことは何もないのです。
 それなのになぜ光に集まるのか。科学者(かがくしゃ)は次のように考えています。
 夜に活動する夜行性(やこうせい)の昆虫も、光が全然ないところでは何も見えません。このような虫たちは、月や星などの光を見ながら飛んでいます。
 でも、電灯が近くにあると今度は月や星の光よりももっと明るい電灯の光を見て飛ぶことになります。
 月や星の光も電灯の光も放射光(ほうしゃこう=一点から四方八方に広がる光)ですが、月や星の光はとても遠くから地球に届くので、ほとんど広がらない平行光(へいこうこう)になっています。ところが、電灯の光は近くにあるために放射光のままです。
 虫が月や星の平行光の中でまっすぐに飛んでいるとき、月や星は常に同じ方向から虫を照らしています。言いかえると、虫は、月や星がいつも同じ方向に見えるように飛べばまっすぐ飛べるわけです。
 しかし電灯の放射光の中ではそうはいきません。まっすぐに飛んでいるとだんだん光の当たる方向が変わっていきます。そこで虫は、電灯の光がいつも同じ方向に見えるよう、少しずつ体の向きを変えながら飛びます。すると、まっすぐに飛んでいるつもりでもいつの間にか電灯に向かって飛んでしまいます。つまり、虫が光に集まるのは人間が作る光の「落とし穴」にはまって出られなくなってしまうのだと考えられます。
 ところで、日本にはガの仲間が6000種類以上もいます。ほとんどが目立たない色をしていますが、中には美しい色や模様(もよう)のガもいます。まだ名前や生活のしかたなどが分かっていないものも多く、鹿児島の小学生の中にも、身近な所で採集(さいしゅう)をしたり観察をしたりして、学界をおどろかせる新しい発見となるガをつかまえた子供もいます。



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