| お答えします |
上野 武次(うえの・たけつぐ)さん
県ホタルを育てる会会長・国分北小教諭 |
−オス、メス出合いのサイン−
光る理由を説明するにはまず、ホタルが成虫(せいちゅう)になるまでを知る必要があります。ホタルは、学校で勉強するモンシロチョウと同じように「卵(たまご)→幼虫(ようちゅう)→さなぎ→成虫」と変わっていきます。
ホタルの場合、親ボタルが初夏(しょか)、川べりのコケや木の幹(みき)などに卵をうみます。幼虫は水の中でカワニナ(まき貝)を食べて育ち、次の年の3月から4月に土の中にもぐってさなぎとなり、4月から6月にかけて羽化(うか)して成虫になります。
では、ホタルはなぜ光るのでしょう。実はオスとメスが出合うためです。私たちがよく見るゲンジボタルは夜の8時前から行動(こうどう)を始めます。暗やみで相手を探すには人間も明かりが必要ですよね。
でも、成虫になっても光らないホタルがいることを知っていますか。
幼虫のとき水の中で過ごさないホタル(陸生=りくせい=ボタルといいます)には、幼虫時代は光っても、成虫になると光らないものが多いんですよ(ヒメボタルやオキナワスジボタルのように夜光るものもいます)。昼間に行動するため、光らなくてもオスとメスが出合えるからです。
面白いことに、夜飛んで光っているゲンジボタルは、ほとんどがオスです。メスは草や木の葉にじっととまって、光を出しています。
かくれんぼと同じで、葉や草のかげにかくれて、メスを探すのは難しいですよね。そこでオスは工夫しました。高く飛ぶときに、3匹から4匹が集まってから、みんなで同じリズムで光るのです。これを同時明滅(どうじめいめつ)といい、人が手を挙げてウエーブをするように光が続いて動いていきます。そうすると、光り方の違うメスを見つけやすくなるのです。
メスを見つけたら、そばに飛んでいってピカッ、ピカッと合図を送ります。メスが光り返したら、仲良くしましょうというOKのサインです。
ゲンジボタルは卵のときも、幼虫のときも、さなぎのときも光ります。水の中でも、土の中でも、なぜ光るのかは分かっていません。敵(てき)から自分の身を守るためでは、ともいわれますが、ホタルには敵があまりいないようです。
瑞恵さんはホタルを捕まえたことがありますか。電球(でんきゅう)をさわると熱いのに、ゲンジボタルのおしりは熱くありませんよね。
これはホタルの体にある、光の元になるルシフェリンと、ルシフェラーゼという酵素(こうそ)が混ざり合って光るためです。混ざり終わると消え、また混ざって光ります。ちょっと難しいですね。大きくなって化学(かがく)を勉強しないと、光る仕組みは難しいので、今回はここまでにとどめます。
最後(さいご)に、ホタルの光は私たちに大事(だいじ)なメッセージを伝えています。「私の光が見えなくなったということは、人間にとっても住みにくくなっているのですよ」と。だから、瑞恵さんのおじいさんの家の近くは人が住むのにいい場所です。今年も遊びに行って、2週間くらいしか生きられないホタルの光を見て、自然(しぜん)の大切さも学んでください。
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