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2005/08/13 本紙掲載

星はなぜ落ちてこないの?

明和小4年(鹿児島市) 山田 佑(やまだ・ゆう)君

 理科の時間に月の観察(かんさつ)をして、宇宙(うちゅう)のことに興味(きょうみ)がわいてきました。そこで不思議(ふしぎ)に思うことがあります。空にある月とか星とかは、どうして落ちてこないのでしょうか。教えてください。

お答えします 森本 雅樹(もりもと・まさき)さん
輝北天球館名誉館長

−飛んでいく力もあるから−

 反対に「どうして飛んでいってしまわないか?」と考えませんでした? 地球(ちきゅう)に落ちてくる、どこかに飛んでいってしまう、そのバランスがちょうどいいと、落ちもせず行きもせず、地球のまわりをまわることになります。人工衛星(じんこうえいせい)や月などはまわる組、みなさんの投げたボールは落ちる組です。そして、火星探査(かせいたんさ)などの宇宙船(うちゅうせん)は飛んでいっちゃう組です。
 あっどうして落ちてくるかお話ししませんでしたね。「引力(いんりょく)で引っ張られているから」なんて声も聞こえます。みんなわかっていましたね。地球に引っ張られているんです。太陽も星も銀河系(ぎんがけい)も、りんごも宇宙全体だって引力で引っ張っているんです。そんなことから、前にお話ししたいろんな天体が落っこちる、落っこちない(それどころかくわしい運動まで)がわかってきたのです。
 空にたくさん見える星のほとんどは、地球から見れば飛んでいく組です。でも、「銀河系」という星のかたまり(何百億(なんびゃくおく)の星の集まりです)を作っています。銀河系の引力は強いのでたいていの星は銀河系から飛んでいかない組です。そして、銀河系の中でまわっているんです。地球や太陽や月もみんなそうです。だから、星が飛んでいこうとしても銀河系からは出られないのです。
 望遠鏡(ぼうえんきょう)でくわしく観察(かんさつ)すると、銀河系の外にもたくさんの(銀河系と同じような)天体があります。それは落っこちてこないのでしょうか? くわしい観察がいろいろ行われ、みんなで考えたのですがなかなかわかりませんでした。だって、宇宙全体の引力を計算しなければならないからです。
 でも、そんな天体をたくさんたくさん、しかも何十億(なんじゅうおく)光年(こうねん)も遠くまで、そして宇宙の始まりの電波(でんぱ)までくわしく観察した結果(けっか)、宇宙全体としてはギリギリアウトで、飛んでいっちゃうらしいとわかってきました。なぜ宇宙がギリギリアウトか、これもヒントは出ているみたいです。
 そんな研究(けんきゅう)をしながら引力の性質(せいしつ)もだんだんくわしくわかってきました。今から300年チョッと前にニュートンが、りんごが落ちるのを見て引力を考えつき、100年前にアインシュタインがさらにくわしい研究をして、宇宙全体のことがわかり始めたのです。今年はそれから100年目、「国際物理年(こくさいぶつりねん)」としてお祝(いわ)いやいろんな催(もよお)しが開かれています。
 なぜ引力があるか、さがしても書いてある本は見つからないでしょう。まだよくわかっていないのです。でもこのところチョッとヒントが出始めました。研究の方向が見え始めたんです。君たちが大人になって、天文学(てんもんがく)を研究し、解決(かいけつ)してくれることになるのでは、なんておじさん思っています。
 あっチョッと教えましょうか? 輝北町(きほくちょう)の輝北天球館(きほくてんきゅうかん)には、ニュートンの家のりんごの木の子孫(しそん)からもらった枝から育てたりんごの木があるんですよ。チャンスがあったら見てくださいね。



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