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2005/09/10 本紙掲載

金魚はなぜ川にいないの?

鹿児島大学付属小3年(鹿児島市) 貴島 聖斗(きじま・せいと)くん

 ぼくの家には4匹の金魚がいます。1匹はおまつりで、のこりの3匹はお店で買いました。金魚は、池や川に行っても見つけることができません。一体どこにすんでいて、どうやってふえるのですか。教えてください。

お答えします 出羽 尚子(でわ・なおこ)さん
かごしま水族館展示課展示第一係

−養殖池で卵産ませ増やす−

 貴島くんは池や川に金魚を探しに行ったのかな? お祭りやお店にはあんなにたくさんの金魚がいるのに自然の川にいないのは不思議ですよね。それは金魚が生まれた歴史に秘密(ひみつ)があります。
 今から1500年以上も前、中国のフナの中に赤い色をしたもの(ヒブナ)が発見されます。これが金魚のご先祖さまです。本格的に飼育されるようになったのは900年ほど前のことで、新しい品種も生まれ、その後も長い時間をかけていろいろな色や形に改良していきました。日本へは500年ほど前に今の大阪府の堺(さかい)の港に伝わります。
 いちばん最初に赤いフナからつくられた品種が、日本に伝わったときは中国の名前「金魚(チンユウイ)」をそのまま日本語にして「こがねうお」または「きんぎょ」と呼んでいました。これが和金(わきん)です。今ではすっかり日本になじんだ金魚も、もともとは中国からやってきていたのですね。
 つまり金魚はもともと自然の川や池にいたフナが人に飼われることで、さまざまな色や形を持つように変化させられた生きものなのです。貴島くんが飼っているリュウキンやデメキンのようにユラユラした大きなヒレや飛び出した目では川などでの泳ぎも遅(おそ)く、なかなか他の魚との生き残り競争(きょうそう)に勝つことはできません。
 それでは金魚はどこに住んでいて、どうやって増(ふ)えているのでしょう? 金魚は大きな人工池で餌(えさ)をやって飼育し、卵を産ませて増やしています。これを養殖(ようしょく)といいますが、時には違(ちが)う品種同士に卵を産ませて、新しい金魚の品種を作り出す試(こころ)みがされることもあります。
 日本では金魚といえば大和郡山(やまとこおりやま=奈良県)、弥富(やとみ=愛知県)、江戸川(東京都)が三大産地としてよく知られています。都市化の波に押されて最近は江戸川区から埼玉、茨城などへ移っているようです。鹿児島に近いところでは熊本県の長洲町(ながすまち)があり、生産量では江戸川区を上回る産地として有名です。25日まで鹿児島市のかごしま水族館で開いている金魚の特別企画展(きかくてん)も、長洲で取材しました。
 卵からかえったばかりのち魚は黒子とよばれ、まだ赤くありません。先祖がフナだということが実感できる時期です。それから50−60日かけて少しずつ黒が薄くなり、次第にオレンジや赤へと変化していきます。3、4カ月後には4センチぐらいの大きさになり、金魚すくい用として出荷されるものもあります。
 金魚は1度にたくさんの卵を産み、少しずつ違った特徴(とくちょう)を持ったち魚がうまれます。そこで成長にともなって選別(せんべつ)という作業もおこなわれます。金魚の良しあしを見きわめて、優(すぐ)れた金魚を選び出す大切な仕事です。これは出荷されるまで定期的におこなわれ、また次の子孫を生み出すために、選び抜かれた金魚が残されていきます。
 昔から人々は金魚を愛し、大切にしてきたからこそこんなにもたくさんの品種の金魚が生まれたのだと思います。



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