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2005/09/24 本紙掲載

楽器はなぜ「ラ」で音合わせ?

鹿児島大学付属小2年(鹿児島市) 山下 洋祐(やました・ようすけ)くん

 ぼくは、ときどきオーケストラのえんそう会に行きますが、えんそうをはじめる前にみんなで音あわせをするときの音が、「ラ」の音に聞こえます。どうしてドやファの音ではないのですか。それから、どうしてオーボエの音にあわせるのですか。

お答えします 福田 正樹(ふくだ・まさき)さん
鹿児島交響楽団コンサートマスター

−古代から「基準の音」に−

 オーケストラの音合わせに使っているのが「ラ」の音だとわかるなんて、洋祐君は音楽が大好きなんだね。
 オーケストラの演奏(えんそう)会が始まるとき、第1バイオリンの一番前に座っているコンサートマスター(演奏の責任者)が合図を送ると、どこからともなく聞こえてくる音。そしてその音を目指すように全部の楽器(がっき)が音を出し始める。音合わせ(チューニング)です。オーケストラだけでなく、ほとんどの楽器の演奏会で必ず音を合わせます。
 これは演奏するとき、楽器の音の高さを正確に調整(ちょうせい)しておく必要があるからです。そうしないと、いくら上手に演奏してもきれいなハーモニーは生まれません。そして、このチューニングをすることで気持ちを演奏に集中させていくのです。
 洋祐君の言うとおり、オーケストラのチューニングではオーボエという楽器がまず合わせる基準(きじゅん)になる音を出します。でも、なぜオーボエなのでしょう。
 一般的(いっぱんてき)には、次の理由が考えられます。第1には、オーボエが音程(おんてい)を調整しにくい楽器なので、他の楽器が合わせる。もう1つは、木管(もっかん)楽器のリーダー的な役割をするオーボエの音色が、よくひびいて、みんなに聞こえやすいから。これらのことから、オーボエが基準になる音を出す役割をしているのでしょうね。だから、どのオーケストラでも、演奏会の日にはコンサートマスターとオーボエ奏者は他の人より早く会場にきて、楽器の調整や準備(じゅんび)をしているのです。
 さて、ではなぜ「ラ」の音で合わせるのかということですが、次の理由が考えられます。今から2600年ほど前、古代ギリシャで当時使われていた弦(げん)楽器に張られていた弦の中で、一番低い音の弦を「A」と名付けました。それが今の音でいう「ラ」だったようです。一番低い音、つまり、始まりの音をアルファベットの最初の文字にしたのですね。これがいつのまにか基準の音として使われるようになったようです。
 その後使われているどの弦楽器にも「ラ」の弦が張ってありますので、基準音として使われ続けているのでしょう。20世紀に入って、国際会議(こくさいかいぎ)で、「ラ」の音を周波数(しゅうはすう)440ヘルツにすると決められました。
 現在、オーケストラで用いられる「ラ」の音は440ヘルツだけでなく442ヘルツ、445ヘルツなどさまざまです。これは、音を高くすると音色が明るく華(はな)やかになるからだといわれています。また現代の吹奏楽(すいそうがく)などでは「シ♭(フラット)」の音で合わせたりします。これは、クラリネットやトランペットなど「シ♭」の音の方が合わせやすい楽器がたくさんあるからです。
 さて、わかってもらえたかな? 君は演奏会によく行くようだけど、11月6日に私たち鹿児島交響楽団の定期演奏会があります。今回はミュージカルの曲を集めています。洋祐君と同じくらいの小学生のお友達もオーケストラと一緒に歌をうたいますよ。
 洋祐君もここで知ったことを友達に教えて、一緒に聞きに来てくださいね。



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