南日本新聞のウェブサイト373news.comです

メニューをとばして本文へ移動します
県内ニュース スポーツ 社  説 南 風 録 黒ヂョカ 映画案内 きょうの催し 気象情報 おかいもの
桜島ライブカメラ 動画歳時記 懐かしフォト 焼酎蔵めぐり サッカー王国 こどものページ そいじゃが通信 母 校 便 り 見学アルバム
2005/11/26 本紙掲載

温度計の液体の仕組みは

西目小5年(阿久根市) 西園 征史(にしぞの・せいじ)くん

 ぼくは学校の理科で温度計を使いました。そのとき、赤い水のような物が上がったり下がったりして、温度がわかりました。赤い水のような物は、どういう仕組みで正かくに表示できるのでしょうか。

お答えします 土田 理(つちだ・さとし)さん
鹿児島大学教育学部助教授(理科教育学)

−物の体積の変化を利用−

理科の実験で使った道具を不思議に思うというのはとてもいいですね、征史君。
 4年生の理科で、試験管の口にせっけん水(シャボン液)をつけて膜(まく)を作ってから、手で暖めるとどうなるか、調べる実験をしませんでしたか。やっていないならば、空のペットボトルの口にせっけん水をつけて試してみてください。両手で暖めるとシャボンの膜が外に膨(ふく)らんで出てきます。逆に水や氷で冷やすと、膜が中に入っていきます。これは、試験管やペットボトルの中に閉じ込められた目には見えない空気が、暖められると膨らみ、冷やされると縮(ちぢ)むためです。
 昔これに気づいた人がいました。ガリレオ・ガリレイといいます。征史君はこの名前を聞いたことがありますか。天体(てんたい)望遠鏡(ぼうえんきょう)で最初に月を見てスケッチをしたり、地球が太陽の周りを回っていることを考えたりした人です。
 ガリレオは今から約400年前に、暖かさや冷たさを調べることができる道具、温度観測(かんそく)器を作りました。これが最初の温度計で、今は空気温度計とよばれています。空気が膨らんだり縮んだりすることが、水の上がり下がりで見えるようにしたものです。でもこの温度計は、場所や天候の影響(えいきょう)をうけるなど、あまり正確ではありませんでした。
 ガリレオが温度計を発明してから50年ほどたった1650年ころに、フェルディナンド・デ・メディチという人が空気の代わりにアルコールを使った温度計を設計しました。これが征史君が実験で使った温度計の最初の型です。私たちの身の回りにあるほとんどの物は、暖められるとかさ(体積=たいせき)が大きくなり、冷やされるとかさが小さくなります。つまり温度計というのは、暖められたり冷やされたりすることで物のかさが変わることを利用しているわけです。
 かさの変化が大きな物だと、変化がよくわかるので、細かく温度の変化を調べることができます。アルコールは水などに比べて、暖めたり冷やしたりしたときのかさの変化が大きな物の一つです。
 でもこのころの温度計の目盛りは、共通の基準で付けたものではなく温度計ごとに異なる目盛りでした。そのため、同じ温度でも温度計が違うと違う温度に見えてしまいました。1700年ごろにレーマーという天文学者が、氷が溶けるときを低い温度の基準、水が沸騰(ふっとう)するときを高い温度の基準にして、この間を等分することで目盛りを付けることを考えました。こうすることで、温度計を使う人は同じ基準の目盛りで温度を調べることができるようになったのですね。
 このような歴史から今でもアルコール温度計とよばれていますが、赤い水のような物は、ストーブで使うのと同じ灯油で、見えやすくするため赤く色をつけたのです。アルコールは、水より約20度も低い温度で沸騰してしまい、都合がわるかったのです。灯油のほかに、水銀や軽油などを使った温度計もあります。
 最近は、ガリレオ温度計といって、浮き沈みするガラス玉の位置で気温がわかるインテリアがありますが、これはガリレオが発明した温度計ではなく、温度計の発明者ガリレオにちなんで名前をつけたものです。



★☆ もどる ☆★
 
 
 
県内ニュース スポーツ 社  説 南 風 録 黒ヂョカ 映画案内 きょうの催し 気象情報 おかいもの
記事・画像等の一切の無断転載、二次利用をお断りいたします。これらの著作権は南日本新聞社または各情報提供者にあります。