| お答えします |
衛藤 威臣(えとう・たけおみ)さん
鹿児島大学農学部教授 |
−生える姿、果実の形で違い−
野菜(やさい)の上下は、植物(しょくぶつ)が生えている姿(すがた)、野菜となる果実(かじつ)がついている形で考えることができます。
ハクサイやレタス、キャベツなど葉(は)の部分を食べる野菜は、根がついている方が下です。ダイコンやニンジンなど根を食べる野菜は、根が下で、葉がついている方が上となります。
果実を食べる野菜は少し複雑(ふくざつ)です。野菜となる果実が、茎にどのようについているか考えてみるといいでしょう。
トウモロコシの場合は上向きについていますから、みことさんの言う通り、ヒゲがついている方が上で、茎についている方が下になります。
トウモロコシは雄花(おばな)と雌花(めばな)が同じ株(かぶ)にできます。雄花は茎の先端(せんたん)の一番高いところにできて、花粉(かふん)を風でまき散らします。雄花が集まったものを雄穂(ゆうすい)と呼びます。雌花は茎の途中(とちゅう)にできます。内側(うちがわ)から白く長いひげを出しますが、このひげはめしべで、上の雄花から落ちてきた花粉がつくところです。
ひげ一本一本に花粉がつくと発芽(はつが)し、花粉管(かふんかん)をのばして、ひとつひとつの小さな雌花まで行きます。その小さな花が発達(はったつ)して、一つ一つの種(たね)になります。たくさんの種が発達して、葉に包まれた実になります。
実が集まっている部分は雌穂(しすい)と呼びます。雌穂は、まっすぐのびる茎と上向きの葉の付け根の間に、ひげを上にしてできるのです。
オクラやトウガラシはトウモロコシと同じように上向きなので、茎についている方が下です。トマトやナスは下向きなので、茎や枝(えだ)についている方が上です。下向きにつくのは、実が重(おも)いためでしょう。
ピーマンは下向きにつきますが、野生(やせい)のピーマンは上向きにつきます。赤くなった実が鳥の目につくように、上を向くと考えられます。鳥に食べられて、種が遠くへ運ばれるためです。 |