| お答えします |
宮町 宏樹(みやまち・ひろき)さん
鹿児島大学理学部教授(地球物理学) |
−氷厚く、高い南極が寒い−
北極より南極のほうが寒い、つまり気温(きおん)が低(ひく)いのです。なぜでしょうか?
南極と北極のちがいをみてみましょう。南極は太平洋(たいへいよう)などの海にかこまれた大陸(たいりく)です。2000メートルをこえる厚(あつ)い氷(高さが桜島の2倍です)でおおわれ、その下には日本の37倍の広さの陸地(りくち)があります。北極はまわりをユーラシア大陸、アメリカ大陸、グリーンランドにかこまれています。氷におおわれていますが、厚さは数メートルだけで下に陸地はなく海(北極海)があるだけです。
平地では暑(あつ)くても、高い山に登(のぼ)ると涼(すず)しくなるように、高ければ高いほど気温は低くなります。北極の高さはほぼ0メートルですが、厚い氷でおおわれている南極の高さは平均(へいきん)で2200メートルもあるため、南極のほうが気温は低くなります。
北極はまわりの海水(かいすい)が氷より温(あたた)かいため、気温がなかなか低くなりません。南極は陸地をおおう厚い氷が、太陽からの熱(ねつ)をはねかえすため、陸地はどんどんひえます。南極大陸の内側(うちがわ)の陸地(内陸[ないりく])は海から2000キロ以上も離(はな)れているため、北極のように、温かい海の影響(えいきょう)をほとんど受(う)けないのです。このような理由(りゆう)で、南極は北極より気温が低く、地球全体(ぜんたい)をひやす役割(やくわり)もしています。
南極の気温はどのくらい低いのでしょうか。内陸にあるドームふじ基地(きち)の平均気温は氷点下54度です。ロシアのボストーク基地では地球上で最も低い氷点下89度を記録(きろく)しています。
北極をかこむ陸地のデータではスバールバル諸島(しょとう)の平均気温が氷点下6度、シベリアのオイミャコンでは最低気温氷点下78度を記録しています。最低気温に大きな差はありませんが、平均気温ではずいぶん違います。
自然(しぜん)現象(げんしょう)には、起こるための科学的(かがくてき)な原因(げんいん)があります。これからも、自然に興味(きょうみ)を持ち、その原因を探(さぐ)ってみましょう。 |